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ビンガルテン方程式 📂幾何学

ビンガルテン方程式

定理1

曲面$M$上では、次の式が成り立つ。

$$ \mathbf{n}_{j} = - \sum_{k} {L^{k}}_{j}\mathbf{x}_{k} $$

ここで、$\mathbf{x} : U \to M$は座標片写像、$\mathbf{n}$は単位法線${L^{k}}_{j} = \sum\limits_{i}L_{ij}g^{ik}$だ。

説明

曲線のフレネ・セレフレーム$\left\{ \mathbf{T}, \mathbf{N}, \mathbf{B} \right\}$を考えよう。これは互いに垂直な3つのベクトルであるため、$\mathbb{R}^{3}$の基底となる。また、各々の微分は他のベクトルの線形結合として表され、これをフレネ・セレの公式という。

$$ \begin{align*} \mathbf{T}^{\prime}(s) =&\ \kappa (s) \mathbf{N}(s) \\ \mathbf{N}^{\prime}(s) =&\ - \kappa (s) \mathbf{T}(s) + \tau (s) \mathbf{B}(s) \\ \mathbf{B}^{\prime}(s) =&\ - \tau (s) \mathbf{N}(s) \end{align*} $$

さて、集合$\left\{ \mathbf{x}_{1}, \mathbf{x}_{2}, \mathbf{n} \right\}$を考えてみよう。$\mathbf{x}_{1}$と$\mathbf{x}_{2}$は接空間を生成し、$\mathbf{n}$はこれら二つに垂直であるため、この集合もまた$\mathbb{R}^{3}$の基底となる。そうなると、今度はガウスの公式とヴァインガルテン方程式から、曲面$M$に対してフレネ・セレの公式と同様の役割を果たす次の公式を得ることができる。

$$ \begin{align*} \mathbf{x}_{ij} &= L_{ij}\mathbf{n} + \sum_{k} \Gamma_{ij}^{k}\mathbf{x}_{k} \\ \mathbf{n}_{j} &= - \sum_{k} {L^{k}}_{j}\mathbf{x}_{k} \end{align*} $$

証明

$\mathbf{n}_{j} = - L(\mathbf{x}_{j})$が成り立つため、

$$ \mathbf{n}_{j} = - L(\mathbf{x}_{j}) = - \sum_{k} {L^{k}}_{j}\mathbf{x}_{k} $$


  1. Richard S. Millman and George D. Parker, Elements of Differential Geometry (1977), p125-126 ↩︎