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微分幾何学における第2基本形式 📂幾何学

微分幾何学における第2基本形式

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$\mathbf{x} : U \to \mathbb{R}^{3}$を座標チャートと呼ぼう。微分幾何学では、幾何学的な対象の特徴や性質を微分を通じて説明する。だから、座標チャートの微分$\mathbf{x}$が色んな定理や公式に登場する。例えば、1次の微分$\left\{ \mathbf{x}_{1}, \mathbf{x}_{2} \right\}$は接空間$T_{p}M$の基底になる。したがって、任意の接ベクトル$\mathbf{X} \in T_{p}M$は以下のように表される。

$$ \mathbf{X} = X^{1}\mathbf{x}_{1} + X^{2}\mathbf{x}_{2} $$

それでは、座標チャートの2次の微分$\mathbf{x}_{ij} = \dfrac{\partial^{2} \mathbf{x}}{\partial u_{i} \partial u_{j}}$について考えてみよう。これは$\mathbb{R}^{3}$のベクトルなので、$\mathbb{R}^{3}$の基底の線形組み合わせで表すことができる。だが、私たちは既に$\mathbb{R}^{3}$で互いに直交する3つのベクトルを知っている。それは1次の微分と単位法線だ。

$$ \left\{ \mathbf{n}, \mathbf{x}_{1}, \mathbf{x}_{2} \right\} $$

すると$\mathbf{x}_{ij}$は次のように表すことができる。

$$ \mathbf{x}_{ij} = a_{ij} \mathbf{n} + b^{1}_{ij} \mathbf{x}_{1} + b^{2}_{ij} \mathbf{x}_{2} $$

$\mathbf{x}_{ij}$の$\mathbf{n}$項の係数$a_{ij} = \left\langle \mathbf{x}_{ij}, \mathbf{n} \right\rangle$を$\mathbf{x}$の第2基本形式の係数coefficient of the second fundamental formと呼ぶ。

定義

$\mathbf{x}_{ij}$と単位法線$\mathbf{n}$の内積を$L_{ij}$と表記し、第2基本形式の係数と呼ぶ。

$$ L_{ij} := \left\langle \mathbf{x}_{ij}, \mathbf{n} \right\rangle $$

$\mathbf{X}, \mathbf{Y}$を曲面$\mathbf{x}$の接空間$T_{P}M$のベクトルとしよう。接空間の基底は$\left\{ \mathbf{x}_{1}, \mathbf{x}_{2} \right\}$なので、次のように表すことができる。

$$ \mathbf{X} = X^{1}\mathbf{x}_{1} + X^{2}\mathbf{x}_{2} \quad \text{and} \quad \mathbf{Y} = Y^{1}\mathbf{x}_{1} + Y^{2}\mathbf{x}_{2} $$

次のような双線形形式$II$を曲面$\mathbf{x}$の第2基本形式the second fundamental formと定義する。

$$ II (\mathbf{X}, \mathbf{Y}) = \sum \limits_{i=1}^{2} \sum \limits_{j=1}^{2} L_{ij}X^{i}Y^{j} = L_{ij}X^{i}Y^{j} = \begin{bmatrix} X^{1} & X^{2}\end{bmatrix} \begin{bmatrix} L_{11} & L_{12} \\ L_{21} & L_{22} \end{bmatrix} \begin{bmatrix} Y^{1} \\ Y^{2}\end{bmatrix} $$

$\sum$が省略された式はアインシュタインの記法を使用したものだ。

説明

$\mathbf{x}_{12} = \mathbf{x}_{21}$なので、$L_{12} = L_{21}$だ。

$\mathbf{x}_{ij}$の法線成分normal component$a_{ij}$を$L_{ij}$と表記し、第2基本形式の係数と呼び、$\mathbf{x}_{ij}$の接成分tangential components$b_{ij}^{k}$を$\Gamma_{ij}^{k}$と表記し、クリストッフェル記号と呼ぶ。

第1基本形式が曲面上の曲線の長さに関連する関数であったように、第2基本形式は曲面がどれほど曲がっているかの指標であり、ガウス曲率$\kappa_{n}$と関連している

第1基本形式はリーマン計量という別の名前でも呼ばれるが、第2基本形式は単に第2基本形式と呼ばれる。

同時参照