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微分方程式の基本解、グリーン関数 📂偏微分方程式

微分方程式の基本解、グリーン関数

定義

非同次項がff非同次微分方程式の解uuΦ\Phiffに関する関数として表現される場合、Φ\Phiを微分方程式の基本解fundamental solutionと言う。

u=u(Φ,f) u = u\left( \Phi, f \right)

説明

厳密な定義ではないことに注意。

グリーン関数Green’s functionとも呼ばれる。同じ概念を指す言葉だが、グリーン関数と言う時は境界条件が与えられた場合を意味することが多い。例えば、初期条件y(a)=0=y(a)y(a) = 0 = y^{\prime}(a)が与えられた初期値問題での場合(一方向の境界条件が与えられたように見えるので)one-sided Green’s functionと呼ぶ。境界条件y(a)=0=y(b)y(a) = 0 = y(b)が与えられた境界値問題での場合には、グリーン関数と呼ぶ。1 2

通常、以下の例で示されるように、非同次項がディラックのデルタ関数δ\deltaの場合の解を基本解と言う。つまり、微分演算子LLに対して以下の式

LΦ=δ L\Phi = \delta

を満たすΦ\Phiを微分方程式Lu=fLu = f基本解と呼ぶことになる。これにより、微分方程式のソリューションは

u(x)=Φf(x) u(x) = \Phi \ast f (x)

として表現される。ここで、\ast畳み込みである。

ラプラス方程式

ラプラス方程式ΔΦ=δ-\Delta \Phi = \deltaの解をラプラス方程式の基本解という。

Φ(x):={12πlogxn=21n(n2)α(n)1xn2n3 \Phi (x) := \begin{cases} -\dfrac{1}{2\pi}\log |x| & n=2 \\ \dfrac{1}{n(n-2)\alpha (n)} \dfrac{1}{|x|^{n-2}} & n \ge 3 \end{cases}

すると、任意の非同次ラプラス方程式Δu=f-\Delta u = fの解は次のような形で表現される。

u(x)=Φf(x)=Φ(xy)f(y)dy u(x) = \Phi \ast f (x) = \int \Phi (x-y)f(y) dy

これが実際に解となることは、以下のように示すことができる。

Δu(x)= ΔΦf(x)=ΔΦ(xy)f(y)dy= ΔΦ(xy)f(y)dy= δ(xy)f(y)dy= f(x) \begin{align*} -\Delta u(x) =&\ - \Delta \Phi \ast f (x) = - \Delta \int \Phi (x-y)f(y) dy \\ =&\ \int - \Delta \Phi (x-y)f(y) dy \\ =&\ \int \delta (x-y)f(y) dy \\ =&\ f(x) \end{align*}

簡単にできるように見えるが、実際はx=0x=0Φ\Phiが発散するため、厳密な証明が必要だ。

ヘルムホルツ方程式

ヘルムホルツ方程式(Δ+k2)Φ=δ-(\Delta + k^{2} )\Phi = \deltaの解をヘルムホルツ方程式の基本解という。すると、任意の非同次ヘルムホルツ方程式

(Δ+k2)u=f -(\Delta + k^{2} )u = f

の解は次のようになる。

u(x)=Φf(x)=Φ(xy)f(y)dy u(x) = \Phi \ast f (x) = \int \Phi (x-y)f(y) dy

次の過程で、これが実際に解となることがわかる。

(Δ+k2)u(x)= (Δ+k2)Φf(x)=(Δ+k2)Φ(xy)f(y)dy= (Δ+k2)Φ(xy)f(y)dy= δ(xy)f(y)dy= f(x) \begin{align*} -(\Delta + k^{2}) u(x) =&\ -(\Delta + k^{2}) \Phi \ast f (x) = -(\Delta + k^{2}) \int \Phi (x-y)f(y) dy \\ =&\ \int -(\Delta + k^{2}) \Phi (x-y)f(y) dy \\ =&\ \int \delta (x-y)f(y) dy \\ =&\ f(x) \end{align*}


  1. two-sided Green’s function이라는 말도 찾아볼 수 있지만 거의 쓰이지 않는다. ↩︎

  2. https://boundaryvalueproblems.springeropen.com/articles/10.1186/1687-2770-2013-45 ↩︎