有界線形作用素の性質
📂バナッハ空間有界線形作用素の性質
定理
Vをノルム空間とし、Tを有界線形作用素とし、W⊂Vとする。そうすると、次が成り立つ。
(a)
T(W)⊂T(W)
さらに、Tが可逆であり、T−1も有界線形作用素であれば、次が成り立つ。
T(W)=T(W)
この時、WはWのクロージャーである。
(b)
{vk}をV内の数列、v∈Vとする。そうすると、次が成り立つ。
k→∞limvk=v⟹k→∞limTvk=Tv
(c)
V内の数列{vk}と、ある定数{ck}に対して、k=1∑∞ckvkが収束すると仮定する。そうすると、次が成り立つ。
Tk=1∑∞ckvk=ckk=1∑∞Tvk
説明
有界な作用素は連続であり、**(b)**は関数が連続である同値条件であるため、当然の事実と言える。
証明
(b)
Tが有界で線形であるため、次の式が成り立つ。
∥Tvk−Tv∥=∥T(vk−v)∥≤∥T∥∥vk−v∥
従って、vk→vであれば、Tvk→Tvである。
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