スカラー場の線積分
📂微分積分学スカラー場の線積分
平面曲線上の線積分
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y=f(x)として与えられた関数の定積分は、x軸に沿って関数値f(x)を全部足すというアイデアで定義されている。したがって、積分値はx軸上の直線を沿って求められる。
ここで、2変数関数z=f(x,y)について考えてみよう。一変数関数の場合と違って、変数はxy−平面を動くので、積分区間は必ずしも直線である必要はない。自由な形の線を沿ってz=f(x,y)の積分を考えることができる。次に、以下の図のように、パラメータ方程式x=x(t),y=y(t),a≤t≤bで表される滑らかな曲線Cが与えられているとする。

点Piによって分割された部分弧の長さをΔsi、その内部の任意の点を(xi∗,yi∗)とする。すると、曲線Cに沿って進むfグラフの面積は、次のように近似することができる。
i=1∑nf(xi∗,yi∗)Δsi
nが大きくなるほど、実際の面積に近づくだろう。
定義
曲線Cを、パラメータ方程式x=x(t),y=y(t),a≤t≤bで表される滑らかな曲線とする。fを、C上で定義された関数とする。以下の極限が存在する場合、それを曲線Cに沿ったfの線積分と定義し、次のように表記する。
∫Cf(x,y)ds=n→∞limi=1∑nf(xi∗,yi∗)Δsi
説明
曲線の長さ
L=∫Cds=∫ab(dtdx)2+(dtdy)2dt
これは、曲線の長さを求めるときに関数値f(x,y)に重みを掛けることと考えることができる。したがって、次の式を得る。
∫Cf(x,y)ds=∫abf(x(t),y(t))(dtdx)2+(dtdy)2dt
また、r(t)=(x(t),y(t))とした場合、r′=(x′(t),y′(t))であるため、次が成り立つ。
∫Cf(x,y)ds== ∫abf(x(t),y(t))(dtdx)2+(dtdy)2dt ∫abf(r(t))∣r′(t)∣dt
これは、曲線の長さdsではなく、各座標軸での長さdx,dyで積分することを考えることができる。
∫Cf(x,y)dx=∫Cf(x,y)dy= n→∞limi=1∑nf(xi∗,yi∗)Δxi=∫abf(x(t),y(t))x′(t)dt n→∞limi=1∑nf(xi∗,yi∗)Δyi=∫abf(x(t),y(t))y′(t)dt
このような形は、ベクター場の線積分で出会うことができる。
空間曲線上の線積分
3次元関数の線積分も、2次元の線積分と同様の方法で自然に定義される。
定義
曲線Cを、パラメータ方程式x=x(t),y=y(t),z=z(t),a≤t≤bで表される滑らかな曲線とする。fを、C上で定義された関数とする。以下の極限が存在する場合、それを曲線Cに沿ったfの線積分と定義し、次のように表記する。
∫Cf(x,y,z)ds=n→∞limi=1∑nf(xi∗,yi∗,zi∗)Δsi
説明
2次元のときの公式も、3次元のときにも成立する。
∫Cf(x,y,z)ds=∫abf(x(t),y(t),z(t))(dtdx)2+(dtdy)2+(dtdz)2dt