ピカールの定理
📂微分方程式ピカールの定理
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以下のようなODEシステムを考えよう。
x1′(t)=x2′(t)=⋮xn′(t)= F1(t,x1,x2,⋯,xn) F2(t,x1,x2,⋯,xn) Fn(t,x1,x2,⋯,xn)
t=t0の時、各xiの値を次のようにしよう。
x1(t0)=x10,x2(t0)=x20,…,xn(t0)=xn0
(1)と(2)を組み合わせて連立一階微分方程式の初期値問題initial value problemと言い、この時の解solutionx1=ϕ1(t),x2=ϕ2(t),…,xn=ϕn(t)を見つけることを初期値問題を解くという。
定理
n個の関数F1,…,Fnとn2個の一階導関数∂x1∂F1,…,∂xn∂F1,…,∂x1∂Fn,…,∂xn∂Fnがある領域R={(t,x1,…,xn):α<t<β,α1<x1<β1,…,αn<xn<βn}で連続だとしよう。点(t0,x10,…,xn0)がRの点だとしよう。
すると、ある区間∣t−t0∣<hで初期値問題(1),(2)を満たす解x1=ϕ1(t),x2=ϕ2(t),…,xn=ϕn(t)が唯一に存在する。
説明
一階常微分方程式の初期値問題に対して解が唯一に存在するという内容を連立方程式に一般化したものである。