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関数の合成 📂関数

関数の合成

定義

関数 $f: X \to Y$, $g: f(X) \to Z$に対して、次のように定義される$h: X \to Z$を**$f$と$g$の合成**composition of $g$ with $f$といい、$h=g \circ f$と表記する。

$$ h(x) = (g\circ f) (x) := g\left( f(x) \right) $$

説明

合成$g \circ f$は$x$にまず$f$を適用し、その結果に$g$を適用する関数である。記号を読む順序(左から右)と関数が適用される順序が逆であることに注意しよう。定義では$g$の定義域を$f$の像$f(X)$としたが、$g$の定義域が$f(X)$を含みさえすれば合成は同じように定義される。よく簡単に$g : Y \to Z$とする。

関数の合成は一般に交換法則が成立しない。例えば$f(x) = x + 1$, $g(x) = x^{2}$である二つの関数$f, g : \mathbb{R} \to \mathbb{R}$に対して次が成立する。

$$ (g \circ f)(x) = (x+1)^{2} \ne x^{2} + 1 = (f \circ g)(x) $$

一方、関数$h : Z \to W$がさらに与えられたとき、結合法則は常に成立する。

$$ \left( (h \circ g) \circ f \right)(x) = h \left( g \left( f(x) \right) \right) = \left( h \circ (g \circ f) \right)(x) $$

したがって括弧を省略して$h \circ g \circ f$と書いても差し支えない。

性質

関数$f : X \to Y$, $g : Y \to Z$が与えられたとしよう。

単射・全射の保存: $f$と$g$がともに単射であれば$g \circ f$も単射であり、ともに全射であれば$g \circ f$も全射である。したがって両方とも全単射であれば$g \circ f$も全単射であり、その逆関数は順序が逆になった合成で与えられる。

$$ (g \circ f)^{-1} = f^{-1} \circ g^{-1} $$

単位元: 恒等関数 $I_{X}$, $I_{Y}$に対して次が成立する。

$$ f \circ I_{X} = f = I_{Y} \circ f $$

特に$X$から$X$への関数全体の集合は合成について閉じており、結合法則が成立し、単位元$I_{X}$を持つのでモノイドをなす。

微分: $f$と$g$が微分可能であれば合成関数$g \circ f$も微分可能であり、その導関数は連鎖法則で与えられる。

$$ (g \circ f)^{\prime}(x) = g^{\prime}\left( f(x) \right) f^{\prime}(x) $$