フーリエ級数とベッセルの不等式
📂フーリエ解析フーリエ級数とベッセルの不等式
式
区間[−L,L)で定義された関数fがリーマン積分可能であれば、以下の不等式が成り立ち、これをベッセルの不等式と言う。
41∣a0∣2+21n=1∑∞(∣an∣2+∣bn∣2)=n=−∞∑∞∣cn∣2≤2L1∫−LL∣f(t)∣2dt
ここで、a0, an, bnはfのフーリエ係数であり、cnはfの複素フーリエ係数である。
証明
任意の複素数zに対して、∣z∣2=zz なので、
0≤f(t)−n=−N∑NcneiLnπt2=(f(t)−n=−N∑NcneiLnπt)(f(t)−n=−N∑Ncne−iLnπt)=∣f(t)∣2−n=−N∑N(f(t)cne−iLnπt+f(t)cneiLnπt)+m=−N∑Nn=−N∑N∣cn∣2eiL(m−n)πt
最初の行からわかる通り、この式は0以上であり、積分した値も0以上である。したがって、次の不等式が成り立つ。
0≤2L1∫−LL∣f(t)∣2dt−n=−N∑N(cn2L1∫−LLf(t)e−iLnπtdt+cn2L1∫−LLf(t)eiLnπtdt)+m=−N∑Nn=−N∑N∣cn∣22L1∫−LLeiL(m−n)πtdt
複素フーリエ係数の定義を使って二番目の項を、指数関数の直交性を使って三番目の項を整理すると、次のようになる。
0≤2L1∫−LL∣f(t)∣2dt−n=−N∑N(cˉn2L1∫−LLf(t)e−iLnπtdt+cn2L1∫−LLfˉ(t)eiLnπtdt)+m=−N∑Nn=−N∑N∣cn∣22L1∫−LLeiL(m−n)πtdt=2L1∫−LL∣f(t)∣2dt−n=−N∑N(cˉncn+cncˉn)+m=−N∑Nn=−N∑N∣cn∣2δmn=2L1∫−LL∣f(t)∣2dt−n=−N∑N2∣cn∣2+n=−N∑N∣cn∣2=2L1∫−LL∣f(t)∣2dt−n=−N∑N∣cn∣2
最後の式の二番目の項を移項してN→∞の極限を取ると、以下のようになる。
n=−∞∑∞∣cn∣2≤2L1∫−LL∣f(t)∣2dt
フーリエ係数と複素フーリエ係数の関係により、次の式を得る。
∣an∣2+∣bn∣2=anaˉn+bnbˉn=(cn+c−n)(cˉn+cˉ−n)+i(cn−c−n)(−i)(cˉn−cˉ−n)=2cncˉn+2c−ncˉ−n=2(∣cn∣2+∣c−n∣2)
⟹21n=1∑∞(∣an∣2+∣bn∣2)=n=1∑∞(∣cn∣2+∣c−n∣2)=n=−∞n=0∑∞∣cn∣2
そして∣c0∣2=41∣a0∣2であるため、
41∣a0∣2+21n=1∑∞(∣an∣2+∣bn∣2)=n=−∞∑∞∣cn∣2≤2L1∫−LL∣f(t)∣2dt
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