線形関数
定義
関数 $f : X \to Y$が次の二つの条件を満たすとき、線形linearであるという。$x,x_{1},x_{2}\in X$、$a \in \mathbb{R}$に対して、
- $f(ax) = af(x)$
- $f(x_{1} + x_{2}) = f(x_{1}) + f(x_{2})$
説明
線形でなければ非線形nonlinearであるという。二つの条件をまとめて次のように表すこともある
$$ f(ax_{1} + x_{2}) = af(x_{1}) + f(x_{2}) $$
2.において等式ではなく以下である$\le$が成り立つときは準線形であるという。
双線形
二変数関数$f = f(x,y)$がそれぞれの変数に対して線形であるとき、双線形bilinearであるという。
多重線形
多変数関数$f= f(x_{1}, \dots, x_{n})$がそれぞれの変数に対して線形であるとき、多重線形multilinearであるという。
$\mathbb{R}$-線形
上の定義のようにスカラーを$a \in \mathbb{R}$のように実数から選ぶということを明示するとき、$\mathbb{R}$-線形$\mathbb{R}$-linearであるという。実ベクトル空間の間の線形変換がこれに該当する。一般にスカラー体が$\mathbb{F}$であれば$\mathbb{F}$-線形と呼ぶ。
$\mathbb{C}$-線形
スカラーを複素数から選び、すべての$a \in \mathbb{C}$に対して$f(az) = af(z)$が成り立つとき、$\mathbb{C}$-線形$\mathbb{C}$-linearであるという。実数は複素数であるから、$\mathbb{C}$-線形であれば自動的に$\mathbb{R}$-線形であるが、その逆は成り立たない。共役複素数を与える関数$f(z) = \overline{z}$がその反例で、実数$a$に対しては$\overline{az} = a\overline{z}$であるから$\mathbb{R}$-線形であるが、以下のように虚数単位$i$に対しては等式が破れる。
$$ f(iz) = \overline{iz} = \overline{i}\overline{z} = -i\overline{z} = -if(z) $$
