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ユニタリ行列 📂行列代数

ユニタリ行列

定義

ユニタリ行列

$A$を正方形の複素数行列とする。$A$が以下の式を満たす時、ユニタリ行列unitaryと呼ぶ。

$$ A^{-1}=A^{\ast} $$

この時、$A^{-1}$は$A$の逆行列、$A^{\ast}$は$A$の共役転置である。

ユニタリ対角化1

サイズが$n \times n$の正方行列$A$が与えられたとする。$A$が対角行列$D$とユニタリ行列$P$に対して次の式を満たす場合、ユニタリ対角化可能unitarily diagonalizableと言う。

$$ P^{\ast} A P = D $$

このような条件を満たす$P$は行列$A$をユニタリ対角化するunitarily diagonalizeと言う。

説明

ユニタリ行列は簡単に言うと、複素数行列に対して拡張された直交行列である。従って、直交行列の性質をそのまま持つ。以下のユニタリ行列の同値条件に関する証明は、直交行列の証明に置き換える。

定理2

ユニタリ行列の同値条件: $n \times n$サイズの複素数行列$A$に対して、以下の命題は全て同値である。

  • $A$はユニタリ行列である。

  • $A$の行ベクトルの集合は$\mathbb{C}^n$の正規直交集合である。

  • $A$の列ベクトルの集合は$\mathbb{C}^n$の正規直交集合である。

  • $A$は内積を保持する。つまり、全ての$\mathbf{x},\mathbf{y}\in \mathbb{C}^{n}$に対して、以下が成立する。

$$ (A \mathbf{x}) \cdot (A\mathbf{y}) = \mathbf{x} \cdot \mathbf{y} $$

  • $A$は長さを保持する。つまり、全ての$\mathbf{x}\in \mathbb{C}^{n}$に対して、以下が成立する。

$$ \left\| A \mathbf{x} \right\| = \left\| \mathbf{x} \right\| $$


  1. Howard Anton, Elementary Linear Algebra: Applications Version (12th Edition, 2019), 440ページ ↩︎

  2. Howard Anton, Elementary Linear Algebra: Applications Version (12th Edition, 2019), 439ページ ↩︎