転置行列
📂行列代数転置行列
定義
サイズがm×nの行列をAとしよう。Aの行と列を入れ替えた行列をAの転置行列transpose, 転置と言い、ATまたはAtと表記する。
説明
定義に従えば、Aがm×n行列ならば、ATはn×m行列になる。また、Aのi番目の行はATのi番目の列と同じで、その逆もまた然りだ。
A=[10008322],AT=10030822
主対角線を基準に左右対称にしたと考えることもできる。
性質
r,s∈R且つA,Bがそれぞれの場合において行列の演算がうまく定義されるサイズであるとしよう。すると、以下が成り立つ。
(a) 線形性: (rA+sB)T=rAT+sBT
(b) 積の転置は、転置を逆順に掛けたものと同じである。
(AB)T=BTAT
(b’) 複数の行列の積の転置は、それぞれの転置を逆順に掛けたものと同じである。
(A1A2⋯An)T=AnT⋯A2TA1T
証明
(b)
m×n行列Aとn×k行列Cについて
[(AC)T]km=i=1∑n[A]mi[C]ik=i=1∑n[AT]im[CT]ki=i=1∑n[CT]ki[AT]im=[CTAT]km
従って、各成分が互いに等しい場合、行列は等しく次の式が成り立つ。
(AC)T=CTAT
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(b')
これは**(b)**の帰結として成り立つ。
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