曲線座標系における勾配、発散、回転、ラプラシアン
📂数理物理学曲線座標系における勾配、発散、回転、ラプラシアン
解説
物理学で、デル演算子∇を含む4つの演算、勾配、発散、回転、ラプラシアンは非常に重要である。そのため、3つの座標系における上記の演算を必ず知っておく必要がある。もちろん、これが暗記しなければならないという意味ではない。物理学の勉強は公式を暗記するのではなく、勉強しているうちに自然と覚えることになるので、わざわざ暗記しようとせず、公式を印刷して持ち歩くか、このページをブックマークして必要な時にすぐに取り出せるようにしよう。
公式
fをスカラー関数、ベクトル関数AをA=A1e^1+A2e^2+A3e^3とする。
勾配:
∇f=e^1h11∂e1∂f+e^2h21∂e2∂f+e^3h31∂e3∂f=i=1∑3e^ihi1∂ei∂f
発散:
∇⋅A=h1h2h31[∂e1∂(h2h3A1)+∂e2∂(h1h3A2)+∂e3∂(h1h2A3)]
回転:
∇×A=h1h2h31h1e^1∂e1∂h1A1h2e^2∂e2∂h2A2h3e^3∂e3∂h3A3
ラプラシアン:
==∇⋅(∇f) ∇2f h1h2h31[∂e1∂(h1h2h3∂e1∂f)+∂e2∂(h2h1h3∂e2∂f)+∂e3∂(h3h1h2∂e3∂f)]
このとき、各座標系ごとの単位ベクトル、スケールファクターは以下の通りである。
直交座標系:
e1^=x^,e2^=y^,e3^=z^,h1=1,h2=1,h3=1
円筒座標系:
e1^=ρ^,e2^=ϕ^,e3^=z^,h1=1,h2=ρ,h3=1
球座標系
e1^=r^,e2^=θ^,e3^=ϕ^,h1=1,h2=r,h3=rsinθ
直交座標系
∇f=∂x∂fx^+∂y∂fy^+∂z∂fz^
∇⋅A=∂x∂Ax+∂y∂Ay+∂z∂Az
∇×A=(∂y∂Az−∂z∂Ay)x^+(∂z∂Ax−∂x∂Az)y^+(∂x∂Ay−∂y∂Ax)z^=x^∂x∂Axy^∂y∂Ayz^∂z∂Az
∇⋅(∇f)=∇2f=(∂x∂x^+∂y∂y^+∂z∂z^)⋅(∂x∂fx^+∂y∂fy^+∂z∂fz^)=∂x2∂2f+∂y2∂2f+∂z2∂2f
円筒座標系
∇f=∂ρ∂fρ^+ρ1∂ϕ∂fϕ^+∂z∂fz^
∇⋅A=ρ1∂ρ∂(ρAρ)+ρ1∂ϕ∂Aϕ+∂z∂Az
∇×A=[ρ1∂ϕ∂Az−∂z∂Aϕ]ρ^+[∂z∂Aρ−∂ρ∂Az]ϕ^+ρ1[∂ρ∂(ρAϕ)−∂ϕ∂Aρ]z^=ρ1ρ^∂ρ∂Aρρϕ^∂ϕ∂ρAϕz^∂z∂Az
∇⋅(∇f)=∇2f=ρ1∂ρ∂(ρ∂ρ∂f)+ρ21∂ϕ2∂2f+∂z2∂2f
球座標系
∇f=∂r∂fr^+r1∂θ∂fθ^+rsinθ1∂ϕ∂fϕ^
∇⋅A=r21∂r∂(r2Ar)+rsinθ1∂θ∂(sinθAθ)+rsinθ1∂ϕ∂Aϕ
∇×A=rsinθ1[∂θ∂(sinθAϕ)−∂ϕ∂Aθ]r^+r1[sinθ1∂ϕ∂Ar−∂r∂(rAϕ)]θ^+r1[∂r∂(rAθ)−∂θ∂Ar]ϕ^=r2sinθ1r^∂r∂Arrθ^∂θ∂rAθrsinθϕ^∂ϕ∂rsinθAϕ
∇⋅(∇f)=∇2f=r21∂r∂(r2∂r∂f)+r2sinθ1∂θ∂(sinθ∂θ∂f)+r2sin2θ1∂2ϕ∂2f