ニュートンの粘性法則とニュートン流体
定義
$$
\mathbf{u} = \mathbf{u} \left( t ; \mathbf{x} \right) = \left( u_{1} \left( t ; \mathbf{x} \right) , u_{2} \left( t ; \mathbf{x} \right) , u_{3} \left( t ; \mathbf{x} \right) \right)
$$
特に、3次元空間で視点 $t$ と空間座標 $\mathbf{x} = \left( x_{1} , x_{2} , x_{3} \right)$ の速度場を上記のような速度ベクトルで表すとする。
ニュートンの粘性法則
流体力学では、非圧縮性かつ等方性の流体に作用する応力が速度の対称化された勾配に比例するということをニュートンの粘性法則Newton’s law of viscosityと呼び、式的には応力テンソル $\tau \in \mathbb{R}^{3 \times 3}$ と速度場 $\mathbf{u}$ のヤコビアン $\nabla \mathbf{u}$ に対して次のように表す。
$$
\tau = \mu \left( \nabla \mathbf{u} + \left( \nabla \mathbf{u} \right)^{T} \right)
$$
成分ごとに書くと次のとおり。
$$
\left( \tau \right)_{ij} = \mu \left( {\frac{ \partial u_{i} }{ \partial x_{j} }} + {\frac{ \partial u_{j} }{ \partial x_{i} }} \right)
$$
ここに現れる $\mu$ を動粘性係数dynamic viscosityと呼ぶ。$\mu$ は密度 $\rho$ に対して次のようにも表され、このとき現れる $\nu$ を運動粘度kinematic viscosityと呼ぶ。
$$
\mu = \rho \nu
$$
ニュートン流体
ニュートンの粘性法則に従う流体をニュートン流体Newtonian fluidと呼び、ニュートンの粘性法則に従わない流体を非ニュートン流体non-Newtonian fluidと呼ぶ。
説明
しばしばニュートンの粘性法則を1次元流れから始めて $\tau = \mu du /dy$ のような常微分方程式とともに「せん断応力と速度勾配の線形関係」と要約することがあるが、個人的見解ではその説明の方がむしろ難しく次元の拡張も厄介だ。通常、記号が1次元では $u$、2次元では $u, v$、3次元では $\mathbf{u}$ になるなど、却って不要な蛇足になる場合を多く見た。そういうことなら最初から3次元ベクトル関数で始める方が良いと考える。
ニュートンの粘性法則に対する直感的解釈は、当該流体が「常識的な流体である」ということだ。ここで「常識的」というのは、流体に加えられる力に応じて正直に相応の反発が生じるという意味だ。
非ニュートン流体
しかし、ニュートンの粘性法則に従わない流体の場合、例えば弱い力には液体のように反応するが、強い力が加わると突然固体のように変化するなど、我々の直感と異なる反応を示すことがある。
