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フリードマンFr検定 📂統計的検定

フリードマンFr検定

仮説検定 1 2

実験設計 上で $k$ 個の処理と $b$ 個のブロックがあり、$n = bk$ 個の標本を得たとする。$j = 1 , \cdots , k$ 番目の処理の標本はそれぞれ独立かつランダムに同じロケーションファミリーからサンプリングされ、$j$ 番目の母集団母中央値を $\theta_{j}$ と仮定する。$\theta_{1} , \cdots , \theta_{k}$ に対する次の仮説検定フリードマン $F_{r}$ 検定Friedman $F_{r}$ testという。

  • $H_{0}$: $\theta_{1} = \cdots = \theta_{k}$
  • $H_{1}$: 少なくとも一つの $\theta_{j}$ は他の中央値と異なる。

検定統計量

検定統計量は $j$ 番目の母集団から得た標本の順位和rank-sum $R_{j}$ に対して次のようになる。 $$ F_{r} = {\frac{ 12 }{ bk \left( k + 1 \right) }} \sum_{j=1}^{k} R_{j}^{2} - 3 b \left( k + 1 \right) $$ この検定統計量は $b$ や $k$ が $5$ より大きいとき、近似的に自由度が $k-1$ のカイ二乗分布 $\chi^{2} \left( k - 1 \right)$ に従う。

説明

フリードマン検定は母数的手法のうち二元配置分散分析に相当する非母数的手法であり、一元配置分散分析に対応するクラスカル・ウォリス検定との関係に類似している。有意水準 $\alpha$ に対して棄却域の下限 $\chi^{2}_{1-\alpha} (k-1)$ と比較して $H > \chi^{2}_{1-\alpha} (k-1)$ ならば帰無仮説を棄却し、少なくとも一つの母集団が他と異なると結論づける。

数式的に一元配置分散分析を理解すれば二元配置分散分析も理解できるように、この奇妙な統計量 $F_{r}$ の導出過程を理解するにはクラスカル・ウォリス $H$ 検定の理論的背景を学べば十分である。

関連項目

実験設計パラメトリック手法ノンパラメトリック手法
完全ランダム化設計一元配置分散分析クラスカル・ウォリス $H$ 検定
ランダム化ブロック設計二元配置分散分析フリードマン $F_{r}$ 検定

  1. Mendenhall. (2012). Introduction to Probability and Statistics (13th Edition): p656. ↩︎

  2. Pereira, D. G., Afonso, A., & Medeiros, F. M. (2015). Overview of Friedman’s Test and Post-hoc Analysis. Communications in Statistics - Simulation and Computation, 44(10), 2636–2653. https://doi.org/10.1080/03610918.2014.931971 ↩︎