行列ランクの準加法性の証明: rank(A+B) ≤ rankA + rankB
📂行列代数行列ランクの準加法性の証明: rank(A+B) ≤ rankA + rankB
定理
行列のランクは準加法性を持つ。つまり、二つの行列 A,B に対して次が成り立つ。
rank(A+B)≤rankA+rankB
説明
この定理はコクランの定理の証明で用いられる。
証明
行空間、列空間、零空間に関する基底:(a1) 行等しい二つの行列は行空間が同じである。つまり、基本行演算は行空間を変えない。(b1) 行等しい二つの行列は零空間が同じである。つまり、基本行演算は零空間を変えない。
A′ および B′ がそれぞれガウスの消去法を通して得られた A および B の既約な行階段形であるとする。A′ は rankA 個の 0 でない行ベクトルを持ち、B′ は rankB 個の 0 でない行ベクトルを持つので、A′+B′ は多くとも rankA または rankB 個の 0 でない行ベクトルを持つ。ガウスの消去法は基本行演算のみで構成されるため、A+B は A′+B′ と行等しく、そのランクは次の不等式を満たす。
==≤rank(A+B)rank{A′+B′}max(rankA,rankB)rankA+rankB
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