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イェンセンの不等式の積分形式の証明 📂レンマ

イェンセンの不等式の積分形式の証明

定理

凸関数$ \phi : [a,b] \to \mathbb{R}$と$f: [0,1] \to [a,b]$について、$\phi \circ f$が$[0,1]$で積分可能であれば $$ \phi \left( \int_{0}^{1} f(x) dx \right) \le \int_{0}^{1} (\phi \circ f ) (x) dx $$

説明

もちろん、与えられた条件を満たすならば、変換などを通じて積分区間も変えることができる。有限フォームが定義を使って項の数を一般化したのとは異なり、積分フォームは関数が積分記号をまたぐ不等式になる。

証明

積分の中値定理により、ある定数$c$に対して$\displaystyle \int_{0}^{1} f(x) dx = c \in (a,b)$とすることができる。$c$の定義により $$ \phi \left( \int_{0}^{1} f(x) dx \right) = \phi (c) + s \left( \int_{0}^{1} f(x) dx - c \right) $$ 上記の等式は全ての$s \in \mathbb{R}$に対して成立するので $$\displaystyle s = \sup_{x \in [a,c) } {{\phi (c) - \phi (x)} \over {c -x}}$$ と定義しても問題ない。$[c, y] \subset [a,b]$を満たす$y$に対して$\displaystyle {{f(x) - f(c)} \over {x - c}} \le {{f(y) - f(x) } \over {y - x}}$なので $$s \le {{\phi (y) - \phi (c)} \over {y- c}} $$ 上記の式を再整理すると $$ \phi (c) + s (y - c) \le \phi (y) $$ 一方、$[y, c] \subset [a,b]$の場合は $$ s \ge {{\phi (c) - \phi (y)} \over {c - y}} $$ つまり、全ての$y \in [a,b]$に対して$\phi (c) + s (y - c) \le \phi (y)$が成立し、$[a,b]$は$f$の値域なので、$y = f(x)$として次を得る。 $$ \phi (c) + s ( f(x) - c) \le \phi ( f(x) ) $$ 両辺に$\displaystyle \int_{0}^{1}$を取ると $$ \int_{0}^{1} \left\{ \phi (c) + s ( f(x) - c) \right\} dx \le \int_{0}^{1} (\phi (f (x) ) dx $$ 整理すると $$ \phi \left( \int_{0}^{1} f(x) dx \right) + s \int_{0}^{1} f(x) dx - s c \le \int_{0}^{1} (\phi \circ f) (x) dx $$ 最後に$\displaystyle \int_{0}^{1} f(x) dx = c$だったので$\displaystyle s \int_{0}^{1} f(x) dx - s c = 0$であり、求めていた次の不等式を得る。 $$ \phi \left( \int_{0}^{1} f(x) dx \right) \le \int_{0}^{1} (\phi \circ f) (x) dx $$

参考