ランダムベクトルの期待値
📂数理統計学ランダムベクトルの期待値
定義
E(X):=E(X1)⋮E(Xn)
ランダムベクトル X=(X1,⋯,Xn) の期待値expectationは、上記のように各成分の期待値のベクトルで定義される。同様に、サイズがm×nの確率変数の行列 X=[Xij] も、各成分の期待値を成分として持つ行列 E(X):=[E(Xij)] として定義される。
性質
- [1] 線形性: X1 と X2 がm×nサイズのランダム行列であり、定数行列 A1,A2∈Rk×m と B∈Rn×l が与えられたとすると、以下が成立する。
E(A1X1+A2X2)=E(A1X1B)=A1E(X1)+A2E(X2)A1E(X1)B
- [2] トレース: E(tr(X))=tr(E(X))
証明
[1]
E(AX)=AE(X) のみを示し、残りは省略する。
A=[aik]をm×p行列、X=[Xkj]をp×n行列とする。すると、行列の乗算と行列の期待値の定義により、
E(AX)=E([k=1∑paikXkj])=[E(k=1∑paikXkj)]=[k=1∑paikE(Xkj)]=AE(X)by linearity of E
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[2]
X=[Xij]\mathbf{X} = \begin{bmatrix} X_{ij} \end{bmatrix}X=[Xij]를 n×nn \times nn×n 행렬이라고 하자.
E(tr(A))=E(∑i=1nXii)=∑i=1nE(Xii)by linearity of E=tr[E(X11)⋯E(X1n)⋮⋱⋮E(Xn1)⋯E(Xnn)]by definition of trace=tr(E(X))
\begin{align*}
E(\tr(A))
&= E \left( \sum\limits_{i=1}^{n} X_{ii} \right) \\
&= \sum\limits_{i=1}^{n} E(X_{ii}) & \text{by linearity of EEE} \\
&= \tr \begin{bmatrix} E(X_{11}) & \cdots & E(X_{1n}) \\ \vdots & \ddots & \vdots \\ E(X_{n1}) & \cdots & E(X_{nn}) \end{bmatrix} & \text{by definition of trace} \\
&= \tr\left( E(\mathbf{X}) \right)
\end{align*}
E(tr(A))=E(i=1∑nXii)=i=1∑nE(Xii)=trE(X11)⋮E(Xn1)⋯⋱⋯E(X1n)⋮E(Xnn)=tr(E(X))by linearity of Eby definition of trace
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