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X^T X の逆行列が存在するための必要十分条件 📂行列代数

X^T X の逆行列が存在するための必要十分条件

定理

行列 XRm×nX \in \mathbb{R}^{m \times n} が与えられており mnm \ge n とすると、次が成り立つ。 (XTX)1    rankX=n \exists \left( X^{T} X \right)^{-1} \iff \text{rank} X = n つまり、XTXX^{T} X逆行列 が存在する 同値条件XXフルランクであることだ。


  • XTX^{T}XX転置だ。

説明

この事実が重要な理由は、重回帰分析y=Xβ\mathbf{y} = X \beta のような 過決定システム には 最小二乗法 を通じて β=(XTX)1XTy \beta = \left( X^{T} X \right)^{-1} X^{T} \mathbf{y} というような計算を行うことが非常に多いためである。このファクトを知らない、または知っていても実際の分析では思い出さないことで 問題に直面する状況 も簡単に見られる。

証明 1

(    )(\implies)

XTXRn×nX^{T} X \in \mathbb{R}^{n \times n} の逆行列が存在するならば rankXTX=n\text{rank} X^{T} X = n である。 n=rankXTXrankXmin{n,m}n \begin{align*} n =& \text{rank} X^{T} X \\ \le & \text{rank} X \\ \le & \min \left\{ n , m \right\} \\ \le & n \end{align*} 上の不等式を成立させるには rankX=n\text{rank} X = n でなければならない。


(    )(\impliedby)

ある uRn\mathbf{u} \in \mathbb{R}^{n} に対して XTXu=0 X^{T} X \mathbf{u} = \mathbf{0} としよう。u=0\mathbf{u} = \mathbf{0} ならば (XTX)1\left( X^{T} X \right)^{-1} が存在することと同値なので、u\mathbf{u}零ベクトルであることを示す。Rn\mathbb{R}^{n}内積空間なので XTXuX^{T} X \mathbf{u}0\mathbf{0}ベクトル内積 <,>\left< \cdot , \cdot \right> を計算してみることができる。零ベクトル同士の内積なので当然その値は 00 であり、 0=<XTXu,u>=(XTXu)Tu=uTXTXu=(Xu)TXu=<Xu,Xu> \begin{align*} 0 =& \left< X^{T} X \mathbf{u} , \mathbf{u} \right> \\ =& \left( X^{T} X \mathbf{u} \right)^{T} \mathbf{u} \\ =& \mathbf{u}^{T} X^{T} X \mathbf{u} \\ =& \left( X \mathbf{u} \right)^{T} X \mathbf{u} \\ =& \left< X \mathbf{u} , X \mathbf{u} \right> \end{align*} を得る。これはすなわち Xu=0X \mathbf{u} = \mathbf{0} であり、XX がフルランクを持つと仮定したゆえに u=0\mathbf{u} = \mathbf{0} でなければならない。

参考資料