スパース行列
定義
自然言語において、スパースsparse(希薄な、まばらな)とは、値がである場合、ほぼ存在しないものとみなされることからきた言葉だ。スパーシティsparsityは、どれだけ多くのから構成されているかの度合いを指す。
スパース行列
大部分の成分がである行列をスパース行列という。
-スパース 1
が多くても、個のでない成分がある場合、は**-スパース**であると言われる。ここで、整数はベクトルのサポートに対して次の不等式を満たす。 ここで、はカーディナリティを意味する。
説明
語彙的には希薄行列や疎行列があるが、通常、どちらも使わず、英語の発音そのままに[スパース・マトリックス]と読むことが多い。スパース行列は、その名の通り、行列に「意味ある」情報がスパース(希薄)である行列として定義されるが、「大部分が」という言葉から推測できるように、数学的に厳密な定義ではない。具体的なが与えられ、それが「十分にスパース」であると表現されると、その定義ははっきりする。
最適化理論
最適化理論では、スパース回帰は回帰問題において解のスパーシティを最大化すること、つまりを最小限にする最適化問題を指す。
グラフ理論
グラフ理論では通常、データとして与えられるランダムネットワークの隣接行列はスパース行列とみなされる。
データ構造
実用的な計算の領域では、スパース行列はデータ構造に近い。例えば、最後の成分だけがで、他はすべてのを考えてみる。この行列を保存するためには、浮動小数点で埋められたスロットの配列が必要だが、その情報がスパース行列であることが確実であれば、使われないをすべて保存する必要はなく、最後のスロットだけがあれば十分である。これは、単に保存が便利なだけでなく、演算でも効率良く行える。これら2つの行列は非常に大きいが、その積は簡単に のように計算できる。この乗算をシュトラッセンのアルゴリズムで計算したとしても、それが賢明とは言えないだろう。「コンピュータでスパース行列を計算する」とは、これらの行列を少ない容量で読み書きでき、がある部分を省略して非常に速く計算できることを意味する2。
Needell, D., Vershynin, R. Uniform Uncertainty Principle and Signal Recovery via Regularized Orthogonal Matching Pursuit. Found Comput Math 9, 317–334 (2009). https://doi.org/10.1007/s10208-008-9031-3 ↩︎
https://ko.wikipedia.org/wiki/%ED%9D%AC%EC%86%8C%ED%96%89%EB%A0%AC ↩︎