固有値と固有ベクトル
定義
正方行列 $A_{n \times n} = (a_{ij})$ が与えられているとする。
- $A$ の $i$ 番目の行と $j$ 番目の行を除いた 行列の行列式 $M_{ij}$ を 小行列式minorという。
- $C_{ij} := (-1)^{i + j} M_{ij}$ を 余因子cofactorという。
- 余因子の行列 $C = \left( C_{ij} \right)$ の転置行列 $C^{T}$ を 古典補助行列classical Adjugate matrixと呼び、$\text{adj} (A)$ と表す。
説明
余因子が使われる最も広く知られた結果は、間違いなくラプラス展開だ。AdjugateにAdj-がついていることから推測できるように、過去にはこれを単に補助行列adjoint matrixと呼んでいたらしいが、現代では共役転置行列を補助行列と呼ぶことが多いため、それと区別するために 古典補助行列classical Adjoint matrixと呼ぶようだ。
性質
単位行列 $I$ と 行列式 $\det$ について、以下が成り立つ。 $$ A \text{adj} (A) = \det (A) I $$ 特に $A$ が 可逆行列であれば、古典補助行列を以下のように表すことができる。 $$ \text{adj} (A) = \det (A) A^{-1} $$