logo

リーマン球の定義 📂複素解析

リーマン球の定義

説明

リーマン・スフィアは[複素解析](../../categories/Complex Analysis)で複素平面を単位球に移すものだ。単位球はたしかに位相的にコンパクトであり、彼らの間のホメオモーフィズムは全単射以前に連続だから集合の開集合性を保つ故に複素平面で無限大を扱う多くの作業を正当化してくれる。

この小さい単位円と大きな複素平面の間に一対一対応がどう存在するか見てみよう。

複素平面との一対一対応

20220803_115220.png

$$ Z : \alpha \mapsto \widetilde{\alpha} $$ このように点 $\infty := \left( 0,0,1 \right)$ から点 $\alpha \in \mathbb{C}$ に向けて直線を撃ち、その進行方向から単位球 $S^{2}$ を貫通する点 $\widetilde{\alpha} \in \widetilde{\mathbb{C}}$ と一対一に対応させるステレオグラフィック プロジェクションstereographic projection $Z$ があり、この写像はもちろん連続だ。横になって快適に$xu$-平面を見れば

20220803_115233.png

となり、ステレオグラフィックプロジェクションがどう平面と球の間の連続な写像になるかわかる。複素平面から見ると、単位円 $\mathscr{C} := \left\{ z \in \mathbb{C} : \left| z \right| = 1 \right\}$ は $Z$ における固定点であり、$\mathscr{C}$ の外側の点は北半球に、内側の点は南半球に対応していることが分かる。ただし、この方法だけでは北極点は自分自身に対する自然な対応が存在しないので、一点コンパクト化を通じて $\infty \in \overline{\mathbb{C}}$ との対応を直接与えなければならない。

座標系

$Z : \mathbb{C} \to S^{2}$ は複素平面上の点 $z = x + iy \in \mathbb{C}$ を次のように単位球 $S^{2}$ 上の点 $\left( X,Y,U \right) \in S^{2}$ に対応させる。 $$ \begin{align*} Z (x,y) =& (X,Y,U) \\ X =& {{ 2x } \over { \left| z \right|^{2} + 1 }} \\ Y =& {{ 2y } \over { \left| z \right|^{2} + 1 }} \\ U =& {{ \left| z \right|^{2} - 1 } \over { \left| z \right|^{2} + 1 }} \end{align*} $$

弦の距離 1

$z_{1} , z_{2} \in \mathbb{C}$ のイメージ $Z \left( z_{1} \right) , Z \left( z_{2} \right) \in \widetilde{\mathbb{C}}$ の間の距離 $d$ をコーダル・メトリックchordal Metricといい、具体的に次のように定義される。 $$ d \left( Z \left( z_{1} \right) , Z \left( z_{2} \right) \right) := \begin{cases} {{ 2 \left| z_{1} - z_{2} \right| } \over { \sqrt{ \left( 1 + \left| z_{1} \right|^{2} \right) \left( 1 + \left| z_{2} \right|^{2} \right) } }} & , \text{if } z_{2} \ne \infty \\ {{ 2 } \over { \sqrt{ 1 + \left| z_{1} \right|^{2} } }} & , \text{if } z_{2} = \infty \end{cases} $$ それによれば、リーマン・スフィア $\left( \widetilde{\mathbb{C}} , d \right)$ は距離空間であり、全ての$z_{1} , z_{2} \in \mathbb{C}$ に対して $d \le 2$ が成り立つため、コンパクトである。


  1. Osborne (1999). Complex variables and their applications: p16. ↩︎