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複素体のフィルトレーション 📂位相データ分析

複素体のフィルトレーション

定義 1

$K$を単体複体とする。部分集合$L \subset K$も単体複体であれば、$K$の部分複体という。 $$ \emptyset = K^{0} \subset K^{1} \subset \cdots \subset K^{m} = K $$ $K$の部分複体からなるネステッドシークエンスを$K$のフィルトレーションという。一般的に、全ての$i \ge m$に対して、$K^{i} = K^{m}$とする。このようなフィルトレーションが存在する場合、$K$をフィルタード複体と呼ぶ。

説明

アセンディングチェーン

Filtered_Complex.png

上記のフィルタード複体のサブ複体は、$m = 0,\cdots,5$に関して、アセンディングチェーンに類似した構造を示している。 $$ K^{0} \subset K^{1} \subset K^{2} \subset K^{3} \subset K^{4} \subset K^{5} $$ フィルターという表現は、最大の単体がネットにかかっていく(←左方向へ)と、徐々に小さくなるイメージを思い浮かべさせるが、数学では必ずしも縮小する方向だけを想像する必要はない。

トポロジカルデータ分析

ヴィートリス=リップス複体チェック複体のような複体は、与えられた半径$\varepsilon > 0$によって決まり、この$\varepsilon$を少しずつ増加させて得られる複体を列挙すると、それがフィルタード複体となる。このようなフィルタード複体内で、トポロジカルな性質が現れたり消えたりする永続性を調べ、データの特徴を分析するのが、トポロジカルデータ分析の1つのアプローチである。

参照

様々なフィルトレーション

$$ A_{1} \subset A_{2} \subset \cdots \subset A_{n} \subset \cdots $$ 数学全般において、構造がネステッドシークエンスを形成する場合、それをフィルトレーションと呼ぶ。


  1. Zomorodian. (2005). Computing Persistent Homology: 2.2 ↩︎