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球殻の慣性モーメント 📂古典力学

球殻の慣性モーメント

公式

半径がaa、質量がmmの球殻の慣性モーメントは以下のようになる。

I=23ma2 I=\frac{2}{3}ma^{2}

導出

半径がaaで質量がmmの均一な球殻を考えてみよう。球の慣性モーメントを求める時と同じアイデアを使う。しかし、少し違いがある。球の慣性モーメントを計算する時のように、多数の円筒殻の合計として球殻を考えよう。

11.jpg

でもここで球の場合と同じように計算すると問題が生じる。球の場合、小さな円盤の体積を積分すると球の体積が出る。

rrπ(r2z2)dz=rrπr2dzrrπz2dz=πr2[z]rrπ[13z3]rr=2πr323πr3=34πr3 \begin{align*} \int \nolimits _{-r} ^{r} \pi \left( r^{2} -z^{2} \right) dz &= \int \nolimits _{-r} ^{r} \pi r^{2} dz - \int \nolimits _{-r} ^{r} \pi z^{2}dz \\ &= \pi r^{2} \left[ z \right]_{-r}^{r} - \pi \left[ \frac{1}{3} z^{3} \right] _{-r} ^{r} \\ &= 2 \pi r^{3} - \dfrac{2}{3}\pi r^{3} \\ &= \dfrac{3}{4} \pi r^{3} \end{align*}

しかし、小さな円盤の表面積の和の極限が球の表面積と同じではない。問題はまさにここで生じる。実際に以下の計算でこれを確認できる。

rr2πxdz=rr2πr2z2dz \int _{-r} ^{r} 2\pi x dz = \int _{-r} ^{r} 2\pi \sqrt{ r^{2}-z^{2}} dz

この時zrsinθz \equiv r \sin \thetaに置き換えると

rr    π2π2&dz=rsinθdθ \int _{-r} ^{r} \implies \int _{-\frac{\pi}{2}} ^{\frac{\pi}{2}} \quad \And \quad dz=r \sin \theta d\theta

π2π22πr2r2sin2θrcosθdθ=2πrπ2π2r21sin2θcosθdθ=2πr2π2π2cos2dθ=πr2π2π2(1+cos2θ)dθ=πr2[θ+12sin2θ]π2π2=πr2(π)=π2r2<4πr2 \begin{align*} \int_{-\frac{\pi}{2}} ^{\frac{\pi}{2}} 2 \pi \sqrt{r^{2}-r^{2}\sin^{2} \theta} r \cos\theta d\theta &= 2\pi r \int_{-\frac{\pi}{2}} ^{\frac{\pi}{2}} \sqrt{r^{2}} \sqrt{1-\sin^{2}\theta} \cos\theta d\theta \\ &= 2 \pi r^{2} \int \nolimits _{-\frac{\pi}{2}} ^{\frac{\pi}{2}} \cos^{2} d\theta \\ &= \pi r^{2} \int \nolimits _{-\frac{\pi}{2}} ^{\frac{\pi}{2}} (1+\cos 2\theta) d\theta \\ &= \pi r^{2} \left[ \theta+\frac{1}{2}\sin 2\theta \right]_{\frac{\pi}{2}} ^{\frac{\pi}{2}} \\ &= \pi r^{2} (\pi )=\pi^{2} r^{2} < 4 \pi r^{2} \end{align*}

なので球の表面積に足りない。だから、球の表面積を円盤の表面積の和で近似することはできない。12.JPG 次に、小さな円筒の表面積を少し異なる方法で近似してみよう。円筒の高さを上面と下面の垂直距離ではなく、側面の距離として置いて解こう。このように置いて積分すると、円筒の表面積が出る。興味があれば、自分でやってみて。

13.JPG

質量が一様にmmで、半径がrrの円筒殻の慣性モーメントはI=mr2I=mr^{2}なので、球殻の慣性モーメントは以下のようになる。

Isphere shell=dl=x2dm I_{\text{sphere shell}}=\int dl=\int x^{2}dm

上の図から得られたdmdmの値を代入すると、以下を得る。

x2ρ2πxadθ \int x^{2} \rho 2 \pi \color{blue}{ x a d \theta}

この時、θ\thetaによる積分をzzによる積分に変えるために、以下の関係式を使って青色部分を上手く変えると以下のようになる。

z=asinθ    dz=acosθdθ,x=acosθ z=a\sin\theta \implies dz=a\cos\theta d\theta,\quad x=a\cos\theta

わざわざzzについて積分する理由はθ\thetaについて積分するよりも簡単だからだ。

(a2z2)ρ2πacosθadθ=ρ2πaaa(a2z2)dz=ρ2πa[a2z13z3]aa=ρ2πa(2a323a3)=ρ83πa4 \begin{align*} \int ( a^{2}-z^{2})\rho 2 \pi \color{blue}{a \cos\theta ad\theta} &= \rho 2 \pi a \int \nolimits _ {-a} ^{a} ( a^{2}-z^{2})dz \\ &= \rho 2 \pi a \left[ a^{2}z-\frac{1}{3}z^{3} \right]_{-a}^{a} \\ &= \rho 2 \pi a (2a^{3}-\frac{2}{3}a^{3}) \\ &= \rho \dfrac{8}{3} \pi a^4 \end{align*}

そして、球殻の質量がm=ρ4πa2m=\rho 4 \pi a^{2}ρ=m4πa2\rho = \dfrac{m}{4\pi a^{2}}なので、以下を得る。

Iz=ρ83πa4=m4πa283πa4=23ma2 I_{z}=\rho \dfrac{8}{3} \pi a^4=\dfrac{m}{4\pi a^{2}} \dfrac{8}{3} \pi a^4 = \dfrac{2}{3}ma^{2}

球と同じように、球殻もまたすべての方向から対称なので、以下が真だ。

Ix=Iy=Iz=23ma2 I_{x}=I_{y}=I_{z}=\dfrac{2}{3}ma^{2}