フィゲンバウムの普遍性
推測
上記のように定義されたマップで表される動力学系がを分岐パラメータとする周期倍加分岐を示すとする。番目の周期倍加が起こるパラメータのシーケンスをと言うとき、これらの間の長さの比はある定数に収束するだろう1:
説明
ファイゲンバウムの推測Feigenbaum conjecturesとは、ロジスティックファミリーのみならず上述の条件下において起こる周期倍加がそのシステムが何であれ普遍的に登場する比率を持って起こるということで、1978年にファイゲンバウムによって報告された2。
例えば、ロジスティックマップとエノンマップHénon mapは異なるシステムだが次のように周期倍加の周期が同じ点に収束していることが観察できる3。
結論として、この推測は事実であることが明らかとなり、ファイゲンバウムの普遍性Feigenbaum universalityとなり、はファイゲンバウム定数Feigenbaum constantと呼ばれるようになった45。
表記ではシーケンスは極限を持ち、これはシステムがカオス的であることを意味する。
Kuznetsov. (1998). Elements of Applied Bifurcation Theory: p139. ↩︎
Feigenbaum, M.J. Quantitative universality for a class of nonlinear transformations. J Stat Phys 19, 25–52 (1978). https://doi.org/10.1007/BF01020332 ↩︎
Yorke. (1996). CHAOS: An Introduction to Dynamical Systems: p504. ↩︎
Lanford. (1982). A computer-assisted proof of the Feigenbaum conjectures: https://doi.org/10.1090/S0273-0979-1982-15008-X ↩︎
Eckmann, JP., Wittwer, P. A complete proof of the Feigenbaum conjectures. J Stat Phys 46, 455–475 (1987). https://doi.org/10.1007/BF01013368 ↩︎