弱位相の定義
定義 1
- $X$ を二つの位相 $\mathscr{T}_{1}$、$\mathscr{T}_{2}$ をもつ集合とする。もし $\mathscr{T}_{1} \subset \mathscr{T}_{2}$ ならば、$\mathscr{T}_{1}$ を $\mathscr{T}_{2}$ より弱いとし、$\mathscr{T}_{2}$ を $\mathscr{T}_{1}$ より強いという。
- 集合 $X$ から位相空間 $X_{\alpha}$ への単射たちを集めた集合 $\mathscr{F} := \left\{ f_{\alpha} : X \hookrightarrow X_{\alpha} , \alpha \in \mathscr{A} \right\}$ を考えよう。 $$ \mathscr{S} := \left\{ f_{\alpha}^{-1} \left( O_{\alpha} \right) \subset X : \alpha \in \mathscr{A}, O_{\alpha} \text{ open in } X_{\alpha} \right\} $$ 部分基底としての部分集合たち $\mathscr{S}$ をもって決定される $X$ の位相を、$f_{\alpha}$ たちによって生成される$X$ の弱い位相という。
説明
最も弱い位相と最も強い位相
どの位相空間でも、自明の位相は最も弱く、離散位相は最も強い。
位相の強弱
$\mathscr{T}_{1} \subset \mathscr{T}_{2}$ は $\mathscr{T}_{1}$ が位相として満たすべき条件がより弱いという意味であり、粗いとも表される。逆に、強いは細かいとも言う。
実用的な弱い位相の姿
定義では単に単射たちを集めただけと言ったが、実際によく扱われるのは埋め込みのファミリーだろう。つまり、$X$ も位相空間であり、$f_{\alpha}$ たちは単射な連続関数として仮定される可能性が高い。
Croom. (1989). Principles of Topology: p211. ↩︎