ユニモーダル分布の最短信頼区間
📂数理統計学ユニモーダル分布の最短信頼区間
定理
ユニモーダル関数の定義
関数 f:R→R が x≤x∗ で減少せず、x≥x∗ で増加しないようにする モード x∗ が存在する場合、f は ユニモーダル と呼ぶ。特に、f の確率密度関数がユニモーダルであれば、その確率分布を ユニモーダル分布 と呼ぶ。
最短の信頼区間
f(x) をユニモーダル確率密度関数とする。区間 [a,b] が次の3つの条件
- (i): ∫abf(x)dx=1−α
- (ii): f(a)=f(b)>0
- (iii): a≤x∗≤b
を満たす場合、[a,b] は i を満たす全ての区間の中で最も短い。
説明
何らかの線 y=k(α) を引いて f(a)=f(b) することで信頼区間を捉えるというのは、ベイズの最高事後密度信頼区間に似たアイデアから来ている。
証明
戦略:定理の証明自体には、実際には確率論的な概念が必ずしも必要ではなく、確率密度関数が持つ様々な性質を満たす場合、基本的な微積分学の知識で十分である。本格的な証明は背理法を使う。定理で言及されている条件 (i) を満たしながら [a,b] よりも短い区間 [a’,b′] が存在すると仮定、つまり b’−a′<b−a とすると、全ての場合で ∫a’b’f(x)dx<1−α となり、矛盾が生じる。
ケース1. b′≤a
▶eq1 ◀
ケース2. b′>a
もし b≤b′ ならば、そもそも b’−a′≥b−a なので、a′≤a<b′<b の場合のみ考えればよい。
∫a’b’f(x)dx≤==f(b′)(b′−a′)+[∫a’af(x)dx−∫b’bf(x)dx](1−α)+[∫a’af(x)dx−∫b’bf(x)dx](1−α)+R
従って、R:=[∫a’af(x)dx−∫b’bf(x)dx]<0 であることを示せば十分である。
∫a’af(x)dx≤∫b’bf(x)dx≥f(a)(a−a′)f(b)(b−b′)
そのため、
R=≤==∫a’af(x)dx−∫b’bf(x)dxf(a)(a−a′)−f(b)(b−b′)f(a)[(a−a′)−(b−b′)]f(a)[(b′−a′)−(b−a)]∵f(a)=f(b)
f(a)>0 であり、(b′−a′)<(b−a) と仮定したので、R<0 となる。
どの場合でも ∫a’b’f(x)dx<1−α となるので、仮定に矛盾があり、したがって条件 (i) を満たす [a,b] より短い区間は存在しない。
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