生成関数とは?
定義
数列$\left\{ a_{n} \right\}$に対して $$ g(x) =\sum \limits _{n=0}^{\infty}a_{n}x^{n}= a_{0} + a_{1} x + a_{2} x^2 + \cdots $$ のような形で表される関数$g$を数列$\left\{ a_{n}\right\}$の生成関数または単に生成関数という。数列が$a_{n}=a_{n}(x)$である場合、以下のように表記することもある。 $$ G(x,t)=\sum \limits _{n=0}^{\infty}a_{n}(x)t^{n} $$
説明
鋭い読者ならすでに気づいただろうが、テイラー級数もあの似たような形をしている。鋭くない読者でも、高校のときにこれと似た形を「べき級数」という名前でよく目にしたことがあるだろう。等差数列と等比数列の和を求める過程を数理的に理解しているかを確認するのに好都合で、試験問題としてはうってつけだからである。
歴史的に「生成関数」という名前はラプラスが名付けたものとして知られている。両辺を$n$回微分した後$x=0$を代入すると$g^{(n)} (x) = a_{n} n!$であるから、$\displaystyle a_{n} = {{g^{(n)} (x) } \over {n!}}$を求めることができる。そういう意味で、生成関数はもともと与えられた数列を復元、あるいは「生成できる関数」と考えることができるのである。
特別なケースとしては、先に述べたようにマクローリン級数$\displaystyle f(x) = \sum_{n=0}^{\infty} {{f^{(n)} (0)}\over{n!}} {x}^n$がある。マクローリン級数は、そもそも数列$a_{n}$を与えられた関数の$n$次微分係数として取っている場合である。
$1 = a_{0} = a_{1} = a_{2} = \cdots$、すなわちすべての項の係数が1である場合、うれしいことに無限等比級数 $$ g(x) = 1 + x + x^2 + \cdots = {{1} \over {1-x}} $$ となる。一方、$a_{n} = n+1$、すなわち自然数の数列である場合は、$\displaystyle g(x) = {{1} \over {1-x}}$の両辺を$x$で微分したものと同じである。その結果はもちろん次の通りである。 $$ g ' (x) = 1 + 2 x + 3 x^2 + \cdots = {{1} \over {(1-x)^2 }} $$ 生成関数に関する研究は一見まったく役に立たないように見えるが、べき関数へと一般化され、統計学をはじめとするさまざまな応用数学に幅広く使われている。(驚くほどのことでもないが、オイラーはこのような名前が付けられる前から、解析学と数論の問題を解くために使っていたという。)
