コルモゴロフ微分方程式の導出
定理
遷移確率行列$P(t)$と微分行列$Q$について、次の微分方程式が成立する。 $$ {{ d P(t) } \over { dt }} = Q P(t) = P(t) Q $$
説明
特に区別するなら、$dP/dt = P(t) Q$を後方コルモゴロフ微分方程式、$dP/dt = Q P(t)$を前方コルモゴロフ微分方程式あるいは確率支配方程式と呼ぶこともある。
導出
連続的確率過程のチャップマン-コルモゴロフ方程式 $P (t+h) = P (t) P (h)$によれば、次が成立する。 $$ \begin{align*} {{ d P(t) } \over { dt }} =& \lim_{h \to 0} h^{-1} \left[ P (t+h) - P(t) \right] \\ =& \lim_{h \to 0} h^{-1} \left[ P (t) P (h) - P(t) \right] \\ =& P (t) \lim_{h \to 0} h^{-1} \left( P(h) - I \right) \\ =& P (t) Q \end{align*} $$ ここで、$I$は単位行列であり、$t + h = h + t$であるため、同じ方法で$P’(t) = Q P(t)$も成立することが示せる。
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関連項目
- フォッカー・プランク方程式の連続マルコフ連鎖バージョンとしても考えられる。