関数形の確率変数の和の期待値
📂数理統計学関数形の確率変数の和の期待値
定理
X1,⋯,Xnがランダムサンプルであり、Eg(X1)とVarg(X1)が存在してg:R→Rが与えられているとする。すると、次が成立する。
- [1] 平均:
E(k=1∑ng(Xk))=nEg(X1)
- [2] 分散:
Var(k=1∑ng(Xk))=nVarg(X1)
説明
この定理で注目すべき点は、{Xk}k=1nがランダムサンプル、つまりiidであることである。例えば、i=jの時、Xi=Xjであり、g(x)=xならば、分散の性質でよく知られているように
Var(k=1∑nXk)=Var(nXk)=n2VarXk
である。言い換えると、定理[2]を導くためには独立であることが絶対に必要である。
証明
[1]
期待値は線形であるため、X1,⋯,Xnが同じ分布に従うため、次が成立する。
==E(k=1∑ng(Xk))k=1∑nEg(Xk)nEg(X1)∵lineartiy∵identical distributed
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[2]
X1,⋯,Xnが独立であるため、i=jならばCov(g(Xi),g(Xj))=0である。したがって、
=====Var(k=1∑ng(Xk))E[k=1∑ng(Xk)−Ek=1∑ng(Xk)]2E[k=1∑n[g(Xk)−Eg(Xk)]]2k=1∑nE[g(Xk)−Eg(Xk)]2+i=j∑E[g(Xi)−Eg(Xi)g(Xj)−Eg(Xj)]k=1∑nVarg(Xk)+i=j∑Cov(g(Xi),g(Xj))nVarg(X1)+0
が成立する。
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