結合動的システム
定義 1
- 状態空間 $X$ が与えられたとしよう。$N$ 個のノードを持つネットワーク $\Gamma$ の隣接行列を $A$、ノード $i \in V \left( \Gamma \right)$ の状態を $x_{i} \in X$ のように表す時、以下の微分方程式によって表される動力学系をカップルド・ダイナミック・システムという。 $$ \dot{x_{i}} = f_{i} \left( x_{i} \right) + \sum_{i=1}^{N} A_{ji} c_{ji} \left( x_{j} , x_{i} \right) \qquad i = 1, \cdots, N $$
- 各ノード $i$ の$f_{i}$ をそのエボリューションと呼ぶ。
- ノード $j$ からノード $i$ への$c_{ji}$をカップリングと呼ぶ。
説明
よく使われるユークリッド空間$X = \mathbb{R}^{p}$を考えると、ノードの状態$x_{i}$は粒子の位置等を示すベクターとなる。これらは基本的にそれぞれの$f_{i}$で作られるベクターフィールドに沿って動くが、カップリング項$\displaystyle \sum_{i=1}^{N} A_{ji} c_{ji} \left( x_{j} , x_{i} \right)$によってノードが他のノードと相互作用するのを表すことができる。
二つのノード$i$、$j$が$A_{ji} = 1$ならば、カップリング$c_{ji}$によって相互作用し、$A_{ji} = 0$ならば相互作用しない。このコンセプトをネットワークダイナミクスと呼ぶのは妥当と思われる。特に$\Gamma = K_{N}$、つまりネットワークが完全グラフであれば、それ自体をパーティクルスウォームと呼ぶことができる。
Linder. (2021). NetworkDynamics.jl—Composing and simulating complex networks in Julia. https://doi.org/10.1063/5.0051387 ↩︎