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幾何ブラウン運動 📂確率論

幾何ブラウン運動

定義 1

$\mu \in \mathbb{R}$と$\sigma^{2} > 0$に対して次のような確率微分方程式が与えられているとしよう。 $$ d X_{t} = X_{t} \left( \mu dt + \sigma d B_{t} \right) $$ このSDEの解は初期値$X_{0}$に対して次のような確率過程として求められ、これを幾何ブラウン運動geometric Brownian motionという。 $$ X_{t} = X_{0} \exp \left[ \left( \mu - {{ \sigma^{2} } \over { 2 }} \right) t + \sigma B_{t} \right] $$

説明

ジオメトリック・ブラウニアン・モーションgBMは金融・経済分野において指数のトレンドを説明する基本的なモデルとして有名である。幾何geometricという表現は、指数的な等比数列の和である等比級数geometric seriesから来たようであり、幾何学とはあまり関係がない。

対数正規分布

応用を排除して純粋に数学的な性質だけを考えたとき、GBMの最大の特徴は対数を取ると正規分布に従うということ―言い換えれば対数正規分布に従うということである。数式的に見れば$\exp$に正規分布に従うブラウニアン・モーションが入っているので当然のことである。

動力学

人口動力学population dynamicsの観点から、GBMで表現されたシステムはマルサス成長モデル $N ' = r N$にノイズ項$X_{t} \sigma d B_{t}$が追加されただけである。実際、GBMを定義するとき必ずしも確率微分方程式の解として定義される必要はないが、このように決定論的deterministic常微分方程式として知られている性質をすぐに把握でき、理解する上で大いに役立つ。

金融工学

GBMの代表的な応用は、まさに株価のような基礎資産の価格変動を説明することである。人口数の変動量が全人口数に比例するように、資産の価格変動もまた資産の価格に比例し、上場廃止にならない限り負にはなり得ないなど、良い仮定を多く持っている。

ある株式の価格$p_{t}$がGBMに従うと仮定しよう。$t$日目の終値を$t-1$日目の終値で割って対数を取った $$ r_{t} = \nabla \log p_{t} = \log {{ p_{t} } \over { p_{t-1} }} $$ を収益率―リターンreturnというが、株価の大きさに関係なく価格が上がれば正、下がれば負となり、我々の直観と一致する。対数正規分布の段落で説明したとおり、このリターンは正規分布に従い、単純な騰落ではなく株価の成長と逆成長というその本質に関心を置くものと見ることができる。


  1. Stojkoski. (2020). Generalised Geometric Brownian Motion: Theory and Applications to Option Pricing. https://doi.org/10.3390/e22121432 ↩︎