コックス・インガーソル・ロス モデル、CIR モデル
モデル 1
がを満たすとする。上の確率微分方程式をCIRモデルと呼ぶ。
変数
- : 利子率または遺伝子頻度を表す。
パラメーター
- : 回帰平均で、は長期的に見ると、この値に戻ろうとする。
- : 調整速度で、値が大きいほど平均への戻りが早くなる。
- : 変動性を表す。
説明
CIRモデルは、1951年にフェラーによって人口増加を説明する方程式として初めて紹介され、1985年にコックス、インガーソル、ロスによって短期間の利子率の動きを説明するモデルとして広く知られるようになった。分かりやすく言うと、確率平均回帰ルート成長方程式とも言えるが、今では一般にCIR(成長)モデルと呼ばれる。
その導出はオーンシュタイン・ウーレンベック過程の導出と似ており、長期的に見ると平均へ戻る性質も持っている。短期間では調整速度がそれを左右するが、長期的にはの方向へ戻ることが保証されている。拡散係数は、自体ではなくに比例する変動性を描写する。この値はでシンギュラーであるため、初期値がであれば、の全ての値においてが負になることはない。
これらの特徴は、利子率が負になることはなく、長期的には平均付近での変動が観察されることを説明している。もちろん、実際の経済現象ではマイナス金利などが存在することもあるが、名目上の数値だけを考えれば、十分合理的な仮定だと言えるだろう。
Panik. (2017). Stochastic Differential Equations: An Introduction with Applications in Population Dynamics Modeling: p182. ↩︎