グロンウォールの不等式の証明
📂レンマグロンウォールの不等式の証明
定理
区間 最小値 a∈R を持つ 区間 I⊂R で二つの連続関数 f,w:I→R が定義されているとする。w が ∀t∈I で w(t)≥0 であり、ある定数 C∈R に対して
f(t)≤C+∫atw(s)f(s)ds,∀t∈I
が成り立つとすると、次が成り立つ。
f(t)≤Cexp(∫atw(s)ds),∀t∈I
説明
区間 I が最小値 a を持つということは、I が a<b に関して次のように見えるという意味である。
[a,b] or [a,b) or [a,∞)
証明
α(t)=β(t)=C+∫atw(s)f(s)dsCexp(∫atw(s)ds)
二つの関数 α,β を上記のように定義し γ(t):=β(t)α(t) とすると γ(a)=1 であり、商の微分法則により
===γ′(t)[β(t)]2α′(t)β(t)−α(t)β′(t)(Cexp(∫atw(s)ds))2w(t)f(t)⋅Cexp(∫atw(s)ds)−(C+∫atw(s)f(s)ds)⋅w(t)Cexp(∫atw(s)ds)w(t)Cexp(∫atw(s)ds)f(t)−C−∫atw(s)f(s)ds
である。f(t)≤C+∫atw(s)f(s)ds であり w(t)≥0 だから γ′(t)≤0 である。したがって、γ(t) は増加しない関数であり、γ(t)≤1 だから次が成り立つ。
⟹⟹⟹⟹γ(t)=β(t)α(t)≤1α(t)≤β(t)C+∫atw(s)f(s)ds≤Cexp(∫atw(s)ds)f(t)≤C+∫atw(s)f(s)ds≤Cexp(∫atw(s)ds)f(t)≤Cexp(∫atw(s)ds)
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