平面曲線の回転数
ビルドアップ
平面曲線のタンジェントがどれだけ回転するかを議論する前に、適切な角度関数のようなものを先に考えたい。平面で、水平線(x軸)と点 で作られるタンジェント への角の大きさを と表すことにしよう。問題はその値が であり、 から までが連続でないということだ。
これを克服するために、私たちが考えるべき角度 は、上記のように象限の結合で作られる4つの半平面で進行方向に連続であると定義する。平面曲線が正則曲線であれば、突然タンジェントが隣接していない象限に飛ぶ心配がないので、 の連続性が保証される。もっと簡単には、 のような制限を設けずに、回転するたびにそのまま角度が増加すればいい。
定義 1
長さが の単位スピード閉曲線 について、次の整数を の回転数rotation Indexと呼ぶ。
例
反時計回りの単純曲線
どこから始めても長さ を動けば、つまり一周回ると角度は だけ変わるので回転数は だ。
時計回りの単純曲線
一周回るのは同じだけど反対方向に回るから符号は逆になり、回転数は になる。
二回巻きつけられた曲線
回転数の定義が正しくされていれば、二回巻きつけられた曲線は直感的に回転数が であるべきだ。実際に線に沿ってどうにか進めば だ。もちろん、この曲線は絡み合う部分があるため、単純曲線ではない。
8字曲線
右の翼にある一点から始めて直接線に沿って進めば、左の翼に入って になりそうで結局 で終わる。ある意味、右から 、左から で回転数が相殺されたようにも見える。
複雑な曲線
見るだけで複雑な曲線を一つ想像してみよう。
もちろん、これまでの例のように直接線を掴んで回してもいいが、これまで見た例から最終的に赤い回転が 、青い回転が という数学的直感が来るはずだ。
絡み合った曲線の重なる部分を取り除いてそれぞれ別に考えれば、この複雑な曲線の回転数も簡単に計算できるようになる。もちろん、これらは絡み合った部分のために単純曲線とは言えないが、回転数を考えるには十分だろう。
Millman. (1977). Elements of Differential Geometry: p55. ↩︎