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複素解析における零点 📂複素解析

複素解析における零点

定義 1

$\alpha \in \mathbb{C}$が関数$f : \mathbb{C} \to \mathbb{C}$の**$n$次のゼロ**zero of Order $n$であることは、$\displaystyle \lim_{z \to \alpha} g(z) \ne 0$のある関数$g$に対して、$f$が次のように表されることと同等である。 $$ f(z) = (z-\alpha)^{n} g(z) $$

定理

ゼロは孤立している:

  • ゼロの周りに他のゼロが存在しないような半径を取ることができる。
  • $f$のゼロ$\alpha$には、$z \in \mathcal{N} (\alpha) \setminus \left\{ \alpha \right\}$から$f (z) \ne 0$の間の近傍$\mathcal{N} (\alpha)$が存在する。

証明

一般性を失わずに、$g$が$f$の$n$次のゼロ$\alpha$で解析的であると仮定して$g(\alpha) = 2 \beta \ne 0$とする。

$g$が$\alpha$で連続であるため、全ての$\beta$に対して次を満たす$\delta > 0$が存在しなければならない。 $$ | z - \alpha | < \delta \implies \left| g(z) - g(\alpha) \right| < |\beta| $$ 先に$g(\alpha) = 2 \beta$としたので、三角不等式によって $$ | z - \alpha | < \delta \implies |g(z)| \ge \left| |g(\alpha)| - \left| g(z) - g(\alpha) \right| \right| > |\beta| $$ $|z-\alpha| < \delta$から$|g(z)| > |\beta|$となるので、$\alpha$は$g$のゼロになることはできない。$f(z) = (z-\alpha)^{n} g(z)$としたので、具体的にこのオープンボール$B \left( \alpha , \delta \right)$内では、$\alpha$だけが$f$のゼロになる。 $$ f(z) \begin{cases} = 0 & , \text{if } z = \alpha \\ \ne 0 & , \text{if } z \in B \left( \alpha , \delta \right) \setminus \left\{ \alpha \right\} \end{cases} $$

参考文献


  1. Osborne (1999). Complex variables and their applications: p66. ↩︎