ランチョスの定理の証明
📂幾何学ランチョスの定理の証明
定理
κ=0 の単位スピード曲線 αが螺旋であることは、ある定数 c∈Rに対して τ=cκとなることと同値である。
- τ,κ は捩率、曲率である。
証明
螺旋の定義: 正則曲線 αが、ある固定された単位ベクトル uに対して⟨T,u⟩が定数ならば、螺旋helixと言い、uを軸axisと呼ぶ。
補助定理: n次元内積空間VでE={e1,⋯,en}が直交集合とすると EはVの基底であり、任意のv∈Vに対して
v=k=1∑n⟨v,ek⟩ek
内積の微分法:
⟨f,g⟩′=⟨f′,g⟩+⟨f,g′⟩
フレネ・セレの公式: αがκ(s)=0の単位スピード曲線である場合
T′(s)=N′(s)=B′(s)=κ(s)N(s)−κ(s)T(s)+τ(s)B(s)−τ(s)N(s)
(⟹)
αが螺旋ならば、何らかの固定された軸uに対して⟨T,u⟩は定数である。具体的に固定された角度θについて次のように表す。
⟨T,u⟩=cosθ
もしn∈Zに対してθ=nπであれば
⟨T,u⟩=±1⟹T=±u
つまりTが定数であるためαは直線であり、κ=0であるため仮定に反するため、θ=nπでなければならない。
±1=cosθ=⟨T,u⟩
上の式に内積の微分法を使用する。uは定数なのでu′=0であり、フレネ・セレの公式によると
0====⟨T,u⟩′⟨T′,u⟩+⟨T,u′⟩⟨κN,u⟩+⟨T,0⟩κ⟨N,u⟩
κ=0を仮定すると⟨N,u⟩=0でなければならない。補助定理によると
u==⟨u,T⟩T+⟨u,N⟩N+⟨u,B⟩BcosθT+⟨u,B⟩B
両辺を二乗すると∣T∣2=∣u∣=1であり、T⊥B⟹⟨T,B⟩=0であるため
1===∣u∣2cos2θ∣T∣2+2cosθ⟨u,B⟩⟨T,B⟩+⟨T,B⟩2cos2θ+⟨u,B⟩2
sin2+cos2=1であるため
⟨u,B⟩2=sin2θ
再び(2)に戻ると、結局次のことが得られる。
u=cosθT+sinθB
両辺を微分すると、フレネ・セレの公式によると
0====u′cosθT′+sinθB′cosθκN+sinθ(−τN)(κcosθ−τsinθ)N
Nは0ではないのでκcosθ−τsinθが0でなければならず、θ=nπであるためsinθ=0であることはできない。したがって
κsinθcosθ=τ
θは固定された値なので、捩率はτ=κcotθのように曲率の定数倍で表されることを示した。
(⟸)
ある定数cに対してτ=cκとしよう。何らかの0<θ<πに対してc:=cotθと置く。
τ=cotθκ
ベクトルuを次のように定義する。
u:=cosθT+sinθB
左辺を微分すると、フレネ・セレの公式によると
u′=====cosθT′+sinθB′cosθκN+sinθ(−τN)(cosθκ−sinθτ)N(cosθκ−sinθsinθcosθκ)N0
したがってuは定数であり、αが単位スピード曲線であるので
⟨T,u⟩=⟨T,cosθT+sinθB⟩=cosθ⋅1+0
つまり⟨T,u⟩は定数であり、αは螺旋である。
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