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複素数の定義 📂複素解析

複素数の定義

定義 1

  1. 二次方程式$x^{2} +1 = 0$の解$x = \sqrt{-1}$を、虚数imaginary numberというんだ。
  2. 2つの実数$x,y \in \mathbb{R}$に対して、$z = x + iy$の形の数を、複素数complex numberと言って、$(x,y)$みたいに表示することもある。この時、$\operatorname{Re} (z) = x$と$\operatorname{Im} (z) = y$をそれぞれ$z$の実部real Part虚部imaginary Partと言うんだ。
  3. 全ての複素数の集合を$\mathbb{C}$で表すんだ。複素数$z_{1}, z_{2} \in \mathbb{C}$が等しいequalってのは、実部と虚部がそれぞれ等しいってことだ。 $$ \operatorname{Re} z_{1} = \operatorname{Re} z_{2} \\ \operatorname{Im} z_{1} = \operatorname{Im} z_{2} $$
  4. 複素数の大きさをモジュラスmodulusって呼び、以下のように定義されるんだ。 $$ | z | := \sqrt{x^{2} + y^{2}} $$

説明

  • 虚部$\operatorname{Im} z = y \in \mathbb{R}$には、虚数単位$i$が掛けられていないことに注意しよう。
  • 物理学や工学では、$i$が電流を表すから、虚数単位を$j := \sqrt{-1}$と表すこともあるんだ。
  • 教科書では、複素数を表示するとき、一般に$1 + 2i$として$i$を数字の後に書くけど、数学に近い文献では、$1 + i2$のように$i$を数字の前に書く傾向が強くなる。これはもう$i$を文字として見なさず、他の数と同じように等価な数として扱いたいって意図があって、$i$を基準にして前が実部、後が虚部と区分されるから、実際に使ってみるとこの表示方法は実用的だと分かるんだ。

歴史

歴史的に見て、虚数は1545年、確率論の先駆者であるカルダノcardanoの著作アルス・マグナars Magnaで初めて紹介されたんだ。数学界で完全に受け入れられたのは、19世紀頃になってからだった。ガウスGaussは$i$に想像上の数imaginary numberって現在の名前を付けて、代数学の基本定理の証明に使ったんだ。記号$i$自体は、オイラーeulerの1777年の回顧録で登場するんだ。

複素平面 2

$$ \mathbb{C} \ni x + iy = (x,y) \in \mathbb{R}^{2} $$

定義から推測できるように、複素数$\mathbb{C}$の集合は、$2$次元平面$\mathbb{R}^{2}$のように見ることができ、実際にも、そうと同じ議論を代数的に導出できるんだ。記号そのままで$x$は$x$軸、$y$は$y$軸を表してると見なされ、これからは実数軸、虚数軸を意味することになる。ピタゴラスの定理を考えた時、複素数の大きさモジュラスが$| z | := \sqrt{x^{2} + y^{2}}$のように定義されることは、非常に合理的だ。

体の公理

$$ \begin{align*} z_{1} + z_{2} =& \left( \operatorname{Re} z_{1} + \operatorname{Re} z_{2} , \operatorname{Im} z_{1} + \operatorname{Im} z_{2} \right) \\ z_{1} \cdot z_{2} =& \left( \operatorname{Re} z_{1} \operatorname{Re} z_{2} - \operatorname{Im} z_{1} \operatorname{Im} z_{2} , \operatorname{Re} z_{1} \operatorname{Im} z_{2} - \operatorname{Im} z_{1} \operatorname{Re} z_{2} \right) \end{align*} $$

複素数$z_{1}, z_{2} \in \mathbb{C}$に対する二項演算である加算sum$+: \mathbb{C}^{2} \to \mathbb{C}$と乗算product$\cdot: \mathbb{C}^{2} \to \mathbb{C}$を上記のように定義すると、$\mathbb{C}$は代数的にになり、$\mathbb{C}$を複素数体complex fieldって呼ぶんだ。解析学序論の実数体と同じように、体の公理が全て成立するんだ。


  1. Osborne (1999). 『Complex Variables and Their Applications』p1~4よ。 ↩︎

  2. Osborne (1999). 『Complex Variables and Their Applications』p8~9よ。 ↩︎