複素数の定義
📂複素解析複素数の定義
定義
- 二次方程式x2+1=0の解x=−1を、虚数imaginary numberというんだ。
- 2つの実数x,y∈Rに対して、z=x+iyの形の数を、複素数complex numberと言って、(x,y)みたいに表示することもある。この時、Re(z)=xとIm(z)=yをそれぞれzの実部real Partと虚部imaginary Partと言うんだ。
- 全ての複素数の集合をCで表すんだ。複素数z1,z2∈Cが等しいequalってのは、実部と虚部がそれぞれ等しいってことだ。
Rez1=Rez2Imz1=Imz2
- 複素数の大きさをモジュラスmodulusって呼び、以下のように定義されるんだ。
∣z∣:=x2+y2
説明
- 虚部Imz=y∈Rには、虚数単位iが掛けられていないことに注意しよう。
- 物理学や工学では、iが電流を表すから、虚数単位をj:=−1と表すこともあるんだ。
- 教科書では、複素数を表示するとき、一般に1+2iとしてiを数字の後に書くけど、数学に近い文献では、1+i2のようにiを数字の前に書く傾向が強くなる。これはもうiを文字として見なさず、他の数と同じように等価な数として扱いたいって意図があって、iを基準にして前が実部、後が虚部と区分されるから、実際に使ってみるとこの表示方法は実用的だと分かるんだ。
歴史
歴史的に見て、虚数は1545年、確率論の先駆者であるカルダノcardanoの著作アルス・マグナars Magnaで初めて紹介されたんだ。数学界で完全に受け入れられたのは、19世紀頃になってからだった。ガウスGaussはiに想像上の数imaginary numberって現在の名前を付けて、代数学の基本定理の証明に使ったんだ。記号i自体は、オイラーeulerの1777年の回顧録で登場するんだ。
複素平面
C∋x+iy=(x,y)∈R2
定義から推測できるように、複素数Cの集合は、2次元平面R2のように見ることができ、実際にも、そうと同じ議論を代数的に導出できるんだ。記号そのままでxはx軸、yはy軸を表してると見なされ、これからは実数軸、虚数軸を意味することになる。ピタゴラスの定理を考えた時、複素数の大きさモジュラスが∣z∣:=x2+y2のように定義されることは、非常に合理的だ。
体の公理
z1+z2=z1⋅z2=(Rez1+Rez2,Imz1+Imz2)(Rez1Rez2−Imz1Imz2,Rez1Imz2−Imz1Rez2)
複素数z1,z2∈Cに対する二項演算である加算sum+:C2→Cと乗算product⋅:C2→Cを上記のように定義すると、Cは代数的に体になり、Cを複素数体complex fieldって呼ぶんだ。解析学序論の実数体と同じように、体の公理が全て成立するんだ。