多変量確率変数の分布収束
📂数理統計学多変量確率変数の分布収束
定義
p次元ランダムベクトルXとランダムベクトルのシークエンス{Xn}が次の条件を満たす時、n→∞で、XnがXに分布収束すると言い、Xn→DXと示される。
n→∞limFXn(x)=FX(x),∀x∈CFX
- FXは確率変数Xの累積分布関数だ。
- CFXは関数FXが連続である点の集合を表している。
多変量中心極限定理
{Xn}が平均ベクトルμ∈Rpと共分散行列Σ∈Rp×pを持つiidのランダムベクトルのシークエンスとする。ゼロベクトル0の近傍で、モーメント生成関数m(t)の存在を仮定し、Ynを以下のように定義する。
Yn:=n1k=1∑n(Xk−μ)=n(X−μ)
すると、Ynは多変量正規分布Np(0,Σ)に分布収束する。
証明
ゼロベクトル0の近傍のt∈Rpに対して、Ynのモーメント生成関数は次の通り。Wk:=t′(X−μ)とする
Mn(t)===E[exp{t’n1k=1∑n(Xk−μ)}]E[exp{n1k=1∑nt′(Xk−μ)}]E[exp{n1k=1∑nWk}]
ここでWkたちはiidで平均が0、分散がVar(Wk)=t′Σtなので、一変量中心極限定理によると
n1k=1∑nWk→DN(0,t′Σt)
これは、n→∞の時、Mn(t)は
Mn(t)→et′Σt/2
これは多変量正規分布Np(0,Σ)のモーメント生成関数である。
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