平行運動
定義
並進運動translational motionとは、剛体の全ての点が同じ速度で動く運動をいう。
説明
上の定義では「剛体」ではなく「物体」と表現してもよいが、並進運動を維持する物体は結果的に剛体と等しい。したがって、並進運動をする物体は基本的に剛体であると仮定する。
定義を言い換えれば、物体内部の全ての点の速度ベクトルが互いに等しいことを意味する。物体内の任意の点での速度を $\mathbf{v}_{i}$ とすれば、
$$ \mathbf{v}_{i}(t) = \mathbf{v}_{j}(t) \quad \forall i \ne j $$
したがって物体は回転しないし、すべての点の加速度も等しい。運動する軌跡は直線である場合も、曲線である場合もある。並進運動をする物体の運動量を 線運動量と呼ぶ。
特徴
物体内部の全ての点の速度と加速度は互いに等しい。
$$ \mathbf{v}_{i} = \mathbf{v}_{j}, \quad \mathbf{a}_{i} = \mathbf{a}_{j} $$物体の形状と向きは変化しない。角速度が $\mathbf{0}$ である。
$$ \omega = \mathbf{0} $$
つまり回転がなく、物体内の任意の二点を結ぶ線分を考えると、その線分の向きは時間とともに変化しない。重心center of massの運動で単純に記述できる。
$$ \mathbf{p} = m \mathbf{v}_{\mathrm{cm}} $$
$$ \mathbf{F} = m \mathbf{a}_{\mathrm{cm}} $$
$$ T = \dfrac{1}{2}m v_{\mathrm{cm}}^2 $$
