対角行列
📂行列代数対角行列
対角行列
Aをサイズがn×mの行列としよう。行と列の番号が同じ要素、つまりaii(1≤i≤min(n,m))を主対角成分main diagonal elementsという。主対角成分を結ぶ仮想の線を主対角線main diagonal, principal diagonalと言う。
主対角成分以外の全ての成分が0である行列Aを対角行列diagonal matrixという。
A=[aij],aij=0(i=j)
説明
A=a11000a22000a33A=a110000a220000a330000a440000
上の例示の通り、正方行列でなくても主対角成分、対角行列を定義できる。
定義により、対角行列は下三角行列であり、同時に上三角行列でもある。
性質
べき乗
A=[aij]をサイズがn×nの対角行列としよう。すると、Aのべき乗は次のようになる。
Ak=(a11)k0⋮00(a22)k⋮0⋯⋯⋱⋯00⋮(ann)k
逆行列
Aの逆行列は次の通りだ。言い換えれば、べき乗に関する性質はkが負の時も自然に拡張される。
A−1=a1110⋮00a221⋮0⋯⋯⋱⋯00⋮ann1
行列式
余因子展開を考えれば、対角行列の行列式は全ての対角成分の積であることが分かる。対角行列n×nの行列式は、
det[aij]=a11×⋯×ann