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シュワルツ空間における収束 📂シュワルツ超函数

シュワルツ空間における収束

定義

$\left\{ \phi_{n} \right\}$をシュワルツ空間での数列としよう。全てのマルチインデックス $\alpha$, $\beta$に対して数列 $\left\{ \mathbf{x}^{\beta}D^{\alpha}\phi_{n}(\mathbf{x}) \right\}$が $0$に一様収束するなら、$\left\{ \phi_{n} \right\}$が $0$に収束すると定義し、以下のように表記する。

$$ \phi_{n} \overset{\mathcal{S}}{\to} 0 $$

説明

上の定義を一般化して、$\left\{ \phi_{n}-\phi \right\}$が$0$に収束するなら、$\left\{ \phi_{n} \right\}$が $\phi$に収束すると言える。

$$ \forall \alpha, \beta,\quad \left( \mathbf{x}^{\beta}D^{\alpha}\phi_{n} - \phi \right) \overset{\mathcal{S}}{\to} 0 \implies \phi_{n} \overset{\mathcal{S}}{\to} \phi $$

シュワルツ空間 $\mathcal{S}$は、超関数のフーリエ変換を適切に定義するために、テスト関数空間 $\mathcal{D}$を拡張したものだ。したがって、$\mathcal{D}$での収束が$\mathcal{S}$での収束を保証する必要がある。

定理

$\left\{ \phi_{n} \right\}$が$\mathcal{D}$で収束する数列だとしよう。すると、$\mathcal{S}$で収束する。

$$ \phi_{n} \overset{\mathcal{D}}{\to} 0 \implies \phi_{n} \overset{\mathcal{S}}{\to} 0 $$

証明

$\left\{ \phi_{n} \right\}$が$\mathcal{D}$で$0$に収束する数列だとしよう。定義により、全ての$\phi_{n}$に対して、以下を満たすコンパクトな集合 $K$が存在する。

$$ \mathrm{supp}\phi_{n} \subset K $$

すると、ある正の数 $r>0$について、$K\subset \overline{B}(r)$が成り立つ。ここで、$\overline{B}(r)$は原点を中心とし、半径が$r$の閉球だ。したがって、次の式が成立する。

$$ \left| \mathbf{x}^{\beta}D^{\alpha}\phi_{n}(\mathbf{x}) \right|\le r^{\left| \beta \right| }\sup \limits_{\left| \mathbf{x} \right|\le r }\left| D^{\alpha}\phi_{n}(\mathbf{x}) \right| ,\quad \forall \mathbf{x}\in\mathbb{R}^{n} $$

このとき、仮定により、全ての$\alpha$に対して、$\left\{ D^{\alpha}\phi_{n} \right\}$が$0$に一様収束する。だから、上の不等式により、$\left\{ \mathbf{x}^{\beta}D^{\alpha}\phi_{n}(\mathbf{x}) \right\}$も$0$に一様収束する。