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三次元デカルト座標系におけるスカラー関数のラプラシアン 📂数理物理学

三次元デカルト座標系におけるスカラー関数のラプラシアン

定義

3次元のスカラー関数 $f=f(x,y,z)$のグラディエントダイバージェンスを $f$のラプラシアンLaplacianと言い、$\nabla^{2}$で表される。

$$ \nabla ^{2} f := \nabla \cdot(\nabla f)= \frac{ \partial^{2} f}{ \partial x^{2} }+\frac{ \partial^{2} f}{ \partial y^{2}}+\frac{ \partial^{2} f}{ \partial z^{2}} $$

説明

ラプラシアンという名称はフランスの数学者ラプラスから取られている。$\nabla^{2}$という表記は便宜上使われているものだ。数学(偏微分方程式論)では$\Delta$という表記をもっと多く使う。ラプラシアンを一言で言うならば、2階の微分の拡張である。グラディエントが1階の微分を3次元に拡張したものであれば、ラプラシアンは2階の微分を3次元に拡張したものだ。高校の微分の時間にこんな内容を学んだはずだ。

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1階の微分は単純に関数$f$が増えているのか減っているのかの情報しか与えないが、2階の微分はどう増えたり減ったりしているのかの情報を与える。$f$のラプラシアンを求める式は上で示された通り、ダイバージェンスを求める式に微分が一回増えただけだ。

導出

導出らしいことはない。

$$ \begin{align*} \nabla \cdot (\nabla f) &= \nabla \cdot \left( \frac{ \partial f}{ \partial x },\frac{ \partial f}{ \partial y},\frac{ \partial f}{ \partial z} \right) \\ &= \frac{ \partial ^{2} f }{ \partial x^{2} }+\frac{ \partial ^{2} f }{ \partial y^{2} } + \frac{ \partial ^{2}f }{ \partial z^{2} } \end{align*} $$

関連項目を見る


  1. EBS 2021学年度 大学入試特講 微積分 p.70 ↩︎