バイオインフォマティクスにおけるイントロンとエクソン
定義
真核生物のDNAで、実際にタンパク質の合成に関与する部分をエクソンexon、そうでない部分をイントロンintronという。
説明
原核生物と真核生物は細胞核に核膜があるかないかで区分されるが、生命情報工学の観点から重要な違いは、セントラルドグマによってmRNAが転写された後のスプライシングsplicingというプロセスがあるかどうかだ。原核生物の転写されたmRNAはDNAと塩基配列上で正確に同じであり(主要な塩基であるTとUだけが違う)、その状態でタンパク質への翻訳が行われる。しかし、真核生物の場合、mRNAが核膜の外へ出た後、スプライソソームspliceosomeによって特定の部分だけが残され、切り取られる。
上の図では、1,3,5は残っているが、2,4はスプライソソームによって捨てられた。これがスプライシングであり、この状態のmRNAが翻訳されると、2,4にあった情報は使用されないことになる。定義によると、緑の1,3,5はエクソンで、青の2,4はイントロンになる。
実際にタンパク質合成に関与する塩基だけが残ったmRNAを、元のpre-mRNAと対比して成熟したmRNA(mature mRNA)と表現する。ゲノム単位で考えると、これらこそが真の遺伝的影響を与える意味で、全てのエクソンを集めたものを真遺伝体(眞遺傳體)という。英語表現では、エクソンの体(-ome)という意味からエクソームexomeと呼ばれる。
訳者:조재창、Dan E. Krane, Michael L. Raymer. (2007). 生命情報学(Fundamental Concepts of Bioinformatics): p13. ↩︎