微分可能ならば連続である
定理1
$f : [a,b] \to \mathbb{R}$としよう。もし$f$が$p \in [a,b]$で微分可能であれば、$f$は$p$で連続である。
説明
逆の「連続であれば微分可能である」とは成り立たないことに注意しよう。
昔、【簡単積分】(簡単に言って、微分可能ならば連続である)という言葉遊びがあったが、今の学生は簡単積分が誰かわからないだろうから、使われなくなったドリップではないだろうか。
証明
$f$が$p$で連続であるための同値条件は次の通りである。
$$ \lim \limits_{x \to p}f(x)=f(p) $$
したがって、$\lim \limits_{x \to p} \left( f(x) - f(p) \right) = 0$であることを示せばよい。$f$が$p$で微分可能であると仮定しよう。すると、次のことが成立する。
$$ \begin{align*} \lim \limits_{x \to p} \left( f(x)-f(p) \right) &= \lim \limits_{x \to p}\left[ \frac{ f(x)-f(p) } {x-p}(x-p)\right] \\ &= \lim \limits_{x \to p} \frac{ f(x)-f(p) }{x-p} \cdot \lim \limits_{x \to p} (x-p) \\ &= f^{\prime}(p)\cdot 0 \\ &=0 \end{align*} $$
2番目の等号は関数の極限の性質によって成立する。
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ウォルター・ルーディン, 数学分析の原理(第3版、1976年)、p104 ↩︎