スペクトルとフラウンホーファー線
説明1 2 3 4
スペクトルとは分光学の研究対象で、光を様々な色に分解したものを指す。よく最初に見るスペクトルの絵は、上のように横、または縦に長い線スペクトルだ。しかし、スペクトルが最初からこのような形をしていたわけではない。光をプリズムを通して様々な色に分解することができると最初に発見したのはニュートンだ。ニュートンは光を小さな穴を通過させた後、再びプリズムを通過させたため、この方法で得られたスペクトルは下のように円形だった。
その後、イギリスの物理学者ウィリアム・ハイド・ウォラストンが、小さな穴の代わりに細長い穴であるスリットに光を通過させ、プリズムで分解した後、棒状にスペクトルを観察する方法を開発した。線スペクトルの方が観察しやすいため、より精密な分析が可能になった。このようにして太陽光のスペクトルを分析していたウォラストンは、特定の位置に黒い線が垂直に現れる現象を発見した。これは太陽光に特定の色(波長)の光が含まれていないことを意味していた。ウォラストンはこの現象にあまり関心を持たなかったが、ヨーゼフ・フォン・フラウンホーファーはもっと詳しく見た。フラウンホーファーはドイツの高官ヨーゼフ・フォン・ウッチュシュナイダーの精密機器会社で光学事業に大きな業績を上げた人物だった。フラウンホーファーは持っていた優れた技術で太陽光のスペクトルをさらに精密に研究した。
上の絵はフラウンホーファーが直接描いて着色した太陽光スペクトルだ。フラウンホーファーは太陽光スペクトルにウォラストンが観察したよりも多くの黒い線が現れることを発見した。ウォラストンはいくつかの線を観察しただけだったが、フラウンホーファーはなんと574の線を発見した。フラウンホーファーは波長と位置に応じて、これらの線にAからZまでの名前を付け、これは今でも使われている。これらの線をフラウンホーファー線と呼ぶ。
フラウンホーファーが研究を続けていると、自分がDと名付けた線がナトリウムの分光実験で現れるスペクトルと一致することに気づいた。後にフランスの物理学者レオン・フーコーは、太陽光をナトリウムガスに通過させた後にスペクトルを観察すると、D線がよりはっきりと現れることを発見した。これはナトリウムガスがDスペクトルを示す波長の光を吸収していることを意味する。その後のドイツのグスタフ・キルヒホフとロベルト・ヴィルヘルム・ブンゼンの研究により、ナトリウムがDスペクトルを吸収するだけでなく、放出することもわかった。
このような研究成果により、スペクトル分析を通じてどんな物質にも特定の元素が存在するかを知ることができるようになった。たとえば、特定の星からの光のスペクトルを分析して、その星がどの元素を含んでいるかを知ることができるなど、様々な科学分野で活用されている。