解析学におけるアルキメデスの原理
定理
正数$a$と実数$b$に対して、$an>b$を満たす自然数$n$が存在する。
説明
どんな$b$を持ってきても、常にそれより大きい$a$の$n$倍数を考えられるという意味だ。簡単に言えば、どんなに「小さい数でも足し続ければどんどん大きくなる」という、ごく常識的で当然の原理だ。
浮力の原理やユリイカとは全く関係がなく、名前が同じだけである。
証明
戦略:証明の過程で解析学の3つの公理が総動員される。どんなに当然の事実に見えても、その公理を正確に言及しながら丁寧に完成させていくことが核心だ。
Case 1
もし$a>b$ならば、$n=1$のとき$an>b$を満たす。
Case 2
$E := \left\{ n \in {\mathbb{N}} ,|, an<b \right\}$としよう。体の公理により$a$の逆元$\dfrac{1}{a}$が存在し、順序の公理により$\dfrac{1}{a}>0$である。したがって次が成り立つ。
$$ an<b \iff n < \dfrac{b}{a} $$
すなわち、$E = \left\{ n \in {\mathbb{N}} ,|, n < \dfrac{b}{a} \right\}$は上に有界だ。完備性の公理により$\sup(E)$が存在するので、$an>b$を満たす$n=\sup(E)+1$が存在する。
■
