力学におけるリュービルの定理の証明
概要
ユークリッド空間の[eq01]と関数[eq02]について、以下のようなベクトル場が微分方程式によって与えられているとしよう。 eq01 このベクトル場のフロー[eq03]と領域[eq04]について、時間[eq06]に従ってフローに従って移動した後の領域とその体積を[eq07]として示す。もし[eq08]ならば、全ての[eq04]と[eq10]に対して以下が成り立つ。 eq02
数式に対する説明
[eq11]はベクトル場の発散で、ベクトル場が広がったり集まったりする様子を示している。
[eq12]は、ベクトル場内の指定された領域の体積を意味する。リウビルの定理は式の方が理解しやすいが、簡単に言うと、発散がどこでも[eq13]ならば、フローによって移動した領域の体積は変わらないということだ。
証明 1
戦略: ベクトル解析学を少し加えると良い。ベクトル関数と各ベクトルの軸をこのように表すと、解析学と線形代数の基本的な道具による計算だけで直接導出される。 eq03
パート1. [eq14]が[eq15]の時
体積の定義: [eq16]がベクトル関数[eq17]によって[eq18]のように変換される時、[eq19]の体積は次のようになる。 eq04
体積の定義に従って eq05 フロー[eq20]を[eq21]でテーラー展開すると eq06 [eq22]を偏微分すると、単位行列[eq24]に対して eq07 のように表せる。それでは、その行列式は eq08 ここで[eq25]はトレースで、行列の対角成分の和を意味する。両端に[eq26]を取ると eq09 [eq27]を左辺に移すと eq10 両辺を[eq28]で割ると eq11 テーラー近似を[eq29]の近くで使用しているので、[eq30]が[eq31]の時 eq12
パート2. [eq32]への拡張
[eq33]とすると、パート1.からの議論を同様に進めて次を得る。 eq13 何らかの定数[eq34]に対し、[eq35]なら eq14 [eq36]は、時間[eq38]だけフローに沿って送られた[eq22]の変形であるため、[eq39]は[eq38]時点の体積となる。これは任意の[eq41]に対しても同じであるため、 eq15 上記の微分方程式は自明な解[eq42]を持つ。
パート3.
**パート2.**の最後の式から、[eq43]ならば[eq44]が真である。
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関連項目
Wiggins. (2003). Introduction to Applied Nonlinear Dynamical Systems and Chaos Second Edition(第2版): 99~100. ↩︎