コンパクト距離空間における連続な全単射関数の逆関数は連続である。
定理
$X$をコンパクトな距離空間、$Y$を距離空間とする。$f : X \to Y$が全単射で連続な関数だとする。すると、以下のように定義される$f$の逆関数$f^{-1}$は全単射であり、連続である。
$$ f^{-1} (f(x))=x, \quad x\in X $$
証明
距離空間$(X,d_{X})$と$(Y,d_{Y})$に対して、$f : X \to Y$とする。すると、以下の二つの命題は同値である。
距離空間での連続性の同値条件を$f^{-1}$に逆向きに適用すると、$f^{-1}$の連続性は、全ての$X$の開集合$O_{X}$に対して、$f(O_{X})$が$Y$で開集合であることと同じである。従って、証明はこの方向で展開される。まず、任意の$X$の開集合$O_{X}$を選ぶ。すると、$(O_{X})^{c}=C_{X}$は$X$で閉集合である。コンパクト集合の閉部分集合はコンパクトであるため、$C_{X}$はコンパクトである。
$X$をコンパクトな距離空間、$Y$を距離空間、$f:X\to Y$が連続であるとする。すると、$f(X)$はコンパクトである。
従って、補題により、$f(C_{X})$はコンパクトである。距離空間でのコンパクト部分集合は閉集合であるため、$f(C_{X})$は閉集合である。$f$が全単射であると仮定すると、$(f(C_{X}))^{c}=f((C_{X})^{c})=f(O_{X})$であり、従って$f(O_{X})$は閉集合の補集合であるために開集合である。
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