距離空間における最大最小定理
要旨
$X$をコンパクトな距離空間、$f : X \to \mathbb{R}$を連続とする。そうしたら、次のようになる。
$$ M = \sup \limits_{x\in X} f(x),\quad m=\inf \limits_{x \in X}f(x) $$
そうすると、
$$ M=f(p),\quad m=f(q) $$
を満たす$q,p\in X$が存在する。つまり、すべての$x$に対して、
$$ f(q)\le f(x) \le f(p) $$
を満たす$q,p \in X$が存在する。これを最大最小定理extreme value theoremという。
説明
$f(X)$が$f$の最大値、最小値を含むことを保証する定理だ。何の条件もなければ、上限と下限の定義により$M$、$m$が$f(X)$に含まれる保証はないが、$X$がコンパクトで、$f$が連続であるという仮定により$M,m\in f(X)$が成立する。
証明
$f$がコンパクト空間で連続だから、$f(X)$はコンパクトである。ユークリッド空間でのコンパクトの同値条件によって、$f(X)$は閉じていて有界な実数集合である。
$E$を空でない実数の集合で、上に有界とする。そして$y=\sup E$とする。すると、$y \in \overline{E}$である。また、$E$が閉じていれば、$y \in E$である。
そうすると、補助定理によって証明完了。
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