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距離空間におけるコンパクト集合の閉部分集合はコンパクトである 📂距離空間

距離空間におけるコンパクト集合の閉部分集合はコンパクトである

定理1

距離空間 $X$において、コンパクト集合 $K$の[($X$に対して)閉じている]部分集合はコンパクトだ。

証明

距離空間 $X$で $F\subset K \subset X$とし、$F$を$X$で閉集合、$K$をコンパクト集合と仮定する。そして、$\left\{ V_{\alpha}\right\}$を$F$の任意の開被覆とする。ここに $F^{c}$を加えて$\Omega=\left\{ V_\alpha \right\}\cup \left\{ F^{c} \right\}$とする。すると、$\Omega$が$K$の開被覆になる。$K$はコンパクトと仮定されているので、$\Omega$のある有限部分被覆$\Phi$に関して以下が成り立つ。

$$ F \subset K\subset \Phi $$

2つのケースに分けて考えよう。

  • case 1. $F^{c} \notin \Phi$

    この場合、$\Phi$は$\left\{ V_{\alpha} \right\}$の有限部分被覆なので$F$はコンパクトだ。

  • case 2. $F^{c} \in \Phi$

    $\Psi=\Omega \setminus \left\{ F^{c} \right\}$とすると、$F^{c}\cap F=\varnothing$より、まだ$F\subset \Psi$が成立する。したがって、$\Psi$は$\left\{ V_{\alpha} \right\}$の有限部分集合なので$F$はコンパクトだ。

結論

距離空間 $X$で、$F$が閉じていて$K$がコンパクトだとする。それならば、$F\cap K$はコンパクトだ。

証明

$F \cap K$は閉集合の交差なので閉集合だ。だから、コンパクト集合$K$の閉じた部分集合で、それ故にコンパクトだ。


  1. Walter Rudin, Principles of Mathmatical Analysis (3rd Edition, 1976), p37-38 ↩︎